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2019年217本目はジョニー・トー監督の秀作バイオレンスを韓国でリメイクした、『毒戦 believer 』。 ※※※※※※※※※※※※※ 私は結構ジョニー・トー版のファンでして、何よりも主人公であるルイス・クーのキャラクターが最高だったんですね。麻薬密売の容疑で逮捕され、捜査に協力しなければ死刑という状況でとにかくズルく立ち回る。平気で嘘をついて裏切って、自分のためならどこまでもみっともなく足掻いてみせる。その人間臭さが魅力的でした。 ※※※※※※※※※※※※※ ところが韓国版ではそんな個性はどこへやら、無表情で何を考えているかわからない青年になっています。要は、サブタイトルに「believer」とあるように、つかみどころのない敵側の人間をどこまで信じられるのか?を軸にした、いつもの「男臭い友情もの」に仕立てているわけです。しかし刑事と青年の間に大した信頼関係が芽生えるイベントがあるわけでもなく、その手のジャンルとしてはあまりに描写が薄すぎます。 ※※※※※※※※※※※※※ 更なる変更としてはシンジケートを取り仕切る「イ先生」が誰なのか?という謎解きモノの視点になるんですけど、これも観客を驚かせたいが為の無意味な後だしジャンケンにしかなっておらず、正直に言ってオリジナルには程遠い凡作です。韓国映画はアクションシーンが卓越してるので期待してましたが、市街地で巻き起こる原版の凄まじい銃撃戦に敵うものもなく…全部で負けてる相当珍しい1本です。
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