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2020年4本目は、ジェンダー論の極みに到達したであろう究極の格差カップル・ラブストーリー、『ロングショット』。 ------------------------------------------------------------ もう何が最高って主役の二人の見事に息のあった演技の応酬ですよ。セス・ローゲンはやっぱりこの手の冴えないオタク男子をやらせたら右に出る者はいなくって、あんなにヨレヨレのジャンパーが似合う男は他にいません。だけれど中身は結構熱い奴でして、自分の考え方に対して物凄いこだわりを持ってるし、仕事に対して実直だから見ていてホントに気持ちがいい。 ------------------------------------------------------------ そして国務長官という役柄にこれほどピッタリな女優も他にいないでしょう、シャーリーズ・セロンの佇まいから感じる気品と純粋な「美しさ」にクラクラします。女性初の大統領を目指す信念の強さと裏腹に、まるで立場の違うフラスキーにも対等に接する大らかさもあって、2人のキャラクターの「立て方」が完璧に近いと思います。 ------------------------------------------------------------ 下ネタもさることながら、政治的風刺や映画・ドラマ・小説などのトレンドを押さえた小ネタが満載で、知れば知るほど面白い作品に仕上がっています。また、二人が付き合うまでの苦難を描くのではなく、付き合ってからその事実とどう向き合うかを中心に据えてるのがホントに素晴らしくて。単なる性別を逆転させただけの格差ラブコメに留まらず、現代の世界を象徴するジェンダー論に対して彼らなりの答えをちゃんと見せてるんですよね。数々の人が絶賛も納得の一作でした。
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