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星ゆたか

星ゆたか

4 years ago

3.0


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Last Letter

Movies ・ 2018

Avg 3.4

2022.2 2020年の日本版「ラストレター」を先に見ておよそ半年すぎに、この中国版を鑑賞。携帯や電子世界から手紙・書籍文化への回帰。ここで描かれるのは後悔と反省と再生のドラマ。 そんな物語の内容が好きなので、同じ 筋書き を別の俳優で進められても、最初は半分くらいまで、どうしても“乗れきれ”なかった。(どちらも岩井俊二監督で、しかも中国版の方が先とは知らなかった。) ただ小説家で自らの10代から20代にかけての恋愛体験を小説にした、40代の主人公の男性が、相手の女性はもうこの世の中にいないという現実を突き付けられる辺りからの “切なさ感”は、やはり胸を締めつけられた。 それに何と言っても、中国の風景や風習の中で(似たようなアジア圏の人間が)描じて見せられると、どこか空気感が違う。けれど結果的には、日本版より俳優のイメージのついていない中国版のほうが、物語のリアル感が増し成功した印象を受けた。ただ欲をいえば、幸せ薄い母親を亡くした姉弟の、映画の始めの方の描写に今一つ工夫があれば、後半の二人の傷いえない状況がさらに活きたか。 ともかく男性の私小説の書きだしと、亡き女性の中学卒業の答辞が良いのでここに 綴る。 『早春の風に背中を押されているような、そんな不思議な高揚感があった。風は僕に語りかけていた。前へ進めと、夢を叶えよと。』 『‥‥‥将来の夢は目標は?と問われたら、私自身はまだ何も浮かびません。でもそれでいいと思います。私達の未来には無限の可能性があり、数え切れないほどの人生の選択肢があると思います。‥‥‥‥卒業生一人ひとりが、今までもそしてこれからも他の誰とも違う人生を歩むのです。‥‥夢を叶える人も、叶えきれない人もいるでしょう。‥‥つらいことがあった時、生きているのが苦しくなった時、‥‥この場所を思い出すのです。自分の夢や可能性がまだ無限に思えたこの場所を、お互いが等しく尊く 輝いていたこの場所を。』 そう誰しも目をつぶり、あの頃の心象風景に思いをかければ、懐かしい学びやの空気や匂いが、心の風に乗ってよみがえってくる、そして浮かび上がってくるあの顔、あの声が、あの時の姿で‥‥‥‥。