
cocoa
3.5

Everybody Knows
Movies ・ 2018
Avg 3.2
イラン映画でお馴染みのアスガー・ファルハディ監督作品です。 今回も家族や地域の人々の感情に思い切り踏み込んだ、そんな作品でした。 アルゼンチンに暮らすラウラ(ペネロペ・クルス)は妹の結婚式に合わせ、娘と幼い息子を連れてスペインに里帰りする。 結婚式の後の盛大なパーティーの中、娘イレーネが行方不明になる。 家族や地域の人達と必死に探すラウラ、そしてイレーネの運命は…そんなお話。 ペネロペとハビエル・バルデム夫婦は大好きで、今回の共演作は楽しみにしていました。 ラウラが式やパーティーに合わせたドレス姿が美しく魅力的。 その後の誘拐事件で憔悴するスッピンで普段着姿との違いがすごい。 ハビエル・バルデム演じるのは元恋人のパコ。 ラウラ家の元使用人の息子でもあるパコは土地を買いワイン農場を成功させている。 ついでに奥さんのベアは美しい。 街がお祝いムードで沸き立つ中、パコの明るい人懐っこい役柄は好きだな~。 物語は娘イレーネの誘拐から大きく変わります。 犯人は身近にいて様子を探れる人物と言われるが、ラウラは娘の生死を心配して憔悴してしまう。 ラウラの夫をアルゼンチンから呼び寄せるものの、資産家と言われた夫はずっと無職だと周りに知られてしまう。 人一倍心配して動くのがやっぱりパコ! それは妻ベアまでもが訝るのですが、こんな感情表現は監督のお得意なところです。 そして結局イレーネの本当の父親がわかったり…(この辺は予想どおり)。 さらに身代金を用意できるのがパコしかおらず、ラウラは「土地を売ってお金を用意して」と頼む。 あ~、パコの困りよう、さらに真実を知ったパコの狼狽ぶり。 その上、ラウラの夫も知っていて「娘の誕生に勇気付けられた」だと?! (だから無職なんだ、と意味不明の怒りを感じる私) 結局、ラウラは家族全員でアルゼンチンに帰り、パコは土地(農場)を失い、お金もなく、妻ベアも去る…。 ラウラ、勝手すぎない? お金はきっと返す、とラウラの夫は言うけれど、きっと無理な話だろう。 全てを失ったパコの人生をこれから街の誰もが語り継ぐのでしょう。 太陽の光溢れる陽気なスペインの地域、でもそこは村社会ですべてが人の耳に入る閉鎖的な地域と言うことか。 犯人が誰?と言うより、出来事に翻弄される人間の姿がリアルに描かれていて面白かったです。