Comment
冒頭、葬儀屋とヴィトの会話で、彼の権力や人間性が分かる。たったワンシーンでなんて強烈な映画だろう。 実は10代でこの映画をみた時、全く良さが分からなかった。あれからしばらくして、全てはファミリーのため、という男達の哀愁が心をグッと掴むようになった。 面白さがわからない人の気持ちもよく分かる。そんな人は、名作の堅苦しい肩書を一旦忘れ、以下を踏まえて見てほしい。 1,マフィアは事業であり、殺しは手段。報復手段ではない。感情で人を殺すのは2流。 ここを読み違えると各ファミリーの意図も物語全体も追いきれない。仁義なき〜的な展開にならないの?と誤った解釈をしてしまう。 2,ヴィトは金より義理を重んじる人間。これが葬儀屋の会話で表現され、3を引き起こす。 ここも分からないとヴィトの心情が読みきれない。 3,ヴィトは麻薬ビジネスに否定的で、彼以外は他ファミリーどころか内部も含め肯定的。 ここが本作の抗争の根っこ。 4,1を前提としながらも、マイケルは個人的な感情を優先している節がある。 ここがヴィトとの対比であり、part2へも繋がる。 悪を生業とする男達でもビジネスの狭間にある義理や道徳観に揺れ動き、葛藤する。そこに本作の面白さがあると思うし、一般のマフィア物と一線を画すものがあると思う。
33 likes0 replies