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Corpus Christi
Avg 3.4
原題は「Boze Clalo」。 「聖体、聖体節」の意味。 実話を基にしたポーランド映画ですがなかなか面白い作品でした。 犯罪歴のあるダニエル(バルトシュ・ビィエレニア)は少年院を仮出所する。 前科者は聖職につけないと言われたダニエルだったが神父になることを願っている。 そんな彼が片田舎の教会で新しい司祭と間違えられてそのまま「トマシュ」と名乗り司祭になりすます…そんなストーリー。 まずは主演のダニエルを演じる役者が適役! 見開いた青い瞳が雄弁で、酒やクスリでキメた表情も凄みがある。 少年院時代から司祭服を所持していたダニエル。 初めての告解もスマホで「告解の手引き」を読みながら住民の言葉を聞く。 12歳の息子がタバコを吸うと相談を受け、ダニエルのアドバイスが「もっと強いタバコを与えよ」「一緒にサイクリングに行きなさい」など。 まだ10代のダニエルの言葉を村の敬虔なカトリック信者は素直に聞き入れるのです。 初めての教会のミサもこなし、だんだん信頼を得るダニエル。 ミサの説教が思い浮かばなくで沈黙…。 「沈黙も祈りです。」と堂々とした態度には村人も納得。 村では一年前に起こった交通事故で多くの犠牲者が出ている。 遺族と加害者側との関係はまさに村八分のよう。 ダニエルはその関係にまで切り込んでいくのです。 有力者バルケビッチ町長との「正義と権力」についての会話もダニエルは対等に張り合う。 司祭服を着たダニエルが成りすました立場に自信を持つ過程が面白かった。 ダニエルの正体を知る少年院時代の仲間ピンチェルの登場。 脅迫を受けても聖体節の準備をするダニエルの姿、何が彼をそこまでさせるのか。 聖職者になることを夢見た経緯はわからないけど、ダニエル自身に確かな手応えがあったからかもしれない。 その後、本当のトマシュ神父が現れ、ダニエルは少年院に逆戻り。 さらに犯罪を犯してしまい逃げる姿でジ・エンド。 ポーランドでは偽神父の事件は毎年起きているらしい。 そもそも神父に身分証明を求めることなど出来ないという。 信仰とは、善悪とは、そんなことをダニエルの表情から読み取りたい、好きな作品でした。