Dark Eyes
Oci ciornie
1987 · Comedy/Romance/Drama · Italy, USSR
1h 58m



Aboard a ship early in the 20th-century, a middle-aged Italian tells his story of love to a Russian. In a series of flashbacks filmed almost entirely in creams, whites, and ochers, the clownish and superfluous Romano Patroni leaves his wife's opulent home to visit a spa where he falls in love with a Russian woman whose marriage is a horror. He pursues her into the Russian heartland and returns to Italy resolved to leave his wife and marry his love. His amazed and appreciative Russian listener then narrates a shorter story.
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矢萩久登
5.0
イタリア映画史の伝説的名優マルチェロ・マストロヤンニ生誕100年を記念して第40回カンヌ国際映画祭で男優賞受賞、米アカデミー主演男優賞にノミネートされたマストロヤンニ後期代表作『黒い瞳』(1987)が38年の歳月を経て、何と4K修復、さらに約25分のシーンが追加されたロング・バージョンで5月30日から公開。 早速、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下さんへ。 『黒い瞳』(1987年/118分(ロング・バージョン143分)) 本作との出会いは確か高校時代。 フジテレビの深夜不定期放送だった「ミッドナイトアートシアター」でなにげなく流れていた本作でのマストロヤンニの軽妙洒脱で老齢なのにどこか可愛らしいたたずまいと、大人の哀愁漂うストーリーにすっかり魅了されました。 本作以降、ジュゼッペ・トルナトーレ監督が『東京物語』(1953)へのオマージュとして監督した『みんな元気』(1990)や、ジャック・レモンと共演した『マカロニ』(1985)、 ナスターシャ・キンスキーと共演した『今のままでいて』(1978)など後期作品ばかり鑑賞。『甘い生活』(1960)、『8 1/2』(1963)、『ひまわり』(1970)など二枚目プレイボーイ時代の初期作はちょっと難しそうと敬遠、ずっと後になって鑑賞、どれも名作で若いうちに観なかったことを後悔しましたね。 本作は未配信、セルも長らく廃盤、レンタルもDVD、Blu-rayはリリースされずVHSのみ。数年前SHIBUYA TSUTAYAのVHSコーナーで奇跡的再会、すぐにビデオデッキ本体とセットでレンタル、経年劣化で激しい砂嵐のなか、何とか視聴した思い出があります。 そんな思い入れの強い貴重な作品が4Kに修復、さらに25分の追加シーンで公開されるなんてたまらなく嬉しいですね。 (ネタバレあり) ストーリーは実に情緒的で哀愁と悲哀が漂うロシアの文豪アントン・チェーホフの短編を基にした大人のおとぎ話。 アテネからイタリアへ向かう客船。 ロシア人商人のバヴェルがひと気のない食堂に入ると、窓際のテーブルでワインを飲む初老の男ロマーノ(演:マルチェロ・マストロヤンニ)に話かけられる。 男はバヴェルがロシア人と分かると、自分の身の上話を語り始める。 自分は田舎食堂の末っ子で、建築家になるため進学したが、大学で出逢った大銀行の一人娘エリザと恋に落ち、両親の猛反対から駆け落ちも考えたが、エリザの父が急逝、エリザが継ぎ、自分は経営にも関わらず建築家の夢も捨て何不自由ない裕福だが無為な人生を過ごす。 彼女と大喧嘩後、身を寄せた湯治場で貞淑なロシア女性アンナと知り合い恋に落ちる。 アンナは家族を養うため意に染まらぬ親子ほど年の離れた男性と結婚したことを告白。 告白したのも束の間、ロマーノへ愛が綴られた一通の手紙を残して消えてしまう。 ロマーノはアンナを探し求めて身分を偽りロシアへ入国、苦難の末に彼女と再会。 エリザと別れ再びアンナを迎えに来ることを約束し帰国。 帰宅すると銀行は破産、屋敷や家具は売り払われ、失意の底のエリザにロマーノは別れを告げられず元の鞘に収まるが、ロシアで待ってくれているアンナには何も伝えられずじまい。 その後、エリザの叔父の莫大な遺産を相続、元の生活に戻ることに。 一通りロマーノの身の上話が終わるとバヴェルが堰を切ったように自身の身の上話を語り出す。 自分も猛烈に恋をしたロシア女性がいて、8年間で7回プロポーズしたがなかなか彼女が彼の気持ちに応じてくれない。 ようやく「愛することはできないが、貞節は守る」と告げられ結婚したがそれでも幸福だ、ちょうど今甲板で待っているので紹介したいと話す。 二人の会話の最中に食堂スタッフがロマーノに「そろそろ店が開店するぞ」と叱責する。 そう、ロマーノはエリザと別れ、今は客船の食堂で細々とウエイターとして働いていたのだ。 そして、バヴェルが甲板に迎えに行った、海風にそよがれた麗しく貞淑な女性はあのアンナだった…。 何度観直しても情緒的でほろ苦くペーソスあふれる大人のおとぎ話の傑作ですね。 確か公開版のラストは甲板にたたずむアンナのズームアップで終わるはずが、今回はバヴェルとアンナが二人で食堂に入り、アンナを見たロマーノが驚きお盆をひっくり返すラストに変更されていました。 これはこれで想定されるラストで良いのですが、個人的には公開版の方が想像力をかきたてられて好きですね。 いずれにしても名作です。
星ゆたか
4.0
2024.9.4 この映画の公開時の新聞広告が今手もとにある。 日本経済新聞の昭和63年(1988年)1月26日(火)で。 片面の上に中田耕治さんと林真理子さんの対談記事と品田雄吉(評論家)の評論文。 下はこの映画のポスターに朝倉摂さん、岸田今日子さん、黒澤明監督、安岡章太郎さんら推薦言葉が印刷されている。 私はこの新聞記事紙をレーザーソフトのデイスクの中にしまい込んでいた。 レーザーデイスクの再生機がないので。 この映画ソフトもその公開数年後に買い求めて。 それ以来見てないので。 今回WOWOW放送視聴は20年以上ぶり。 その前は1988年7月20日にビデオレンタルで初鑑賞となっている。 1988年キネマ旬報ベスト6位。 その年のベストテン入り作品では。 「ラストエンペラー」「ベルリン·天使の詩」「八月の鯨」「愛と宿命の泉」などが私も好きな作品。 ちなみに邦画は「となりのトトロ」「異人たちの夏」「さくら隊散る」などが。 このベストテン入りとか、何々賞受賞とかは、あくまでも参照基準の映画として。 やはり重要思していいと思う。 勿論中には自分の尺度に合う合わないはあるが。 それでもそういう基準で見続けする事は大切だろう。 やはり一流の作品、多くの人が評価した映画は、鑑賞者に刺激を与えてくれる。 さて本作であるが。 私としては「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「オブローモフの生涯より」「絆」「愛の奴隷」「太陽に灼かれて」などのニキータ·ミハルコフ監督作品の中の、やはり好きな1本。 87年のカンヌ映画祭でマルチエロ·マストロヤンニが2度目の主演男優賞受賞しています。 チエーホフの「犬を連れた奥さん」他3つの短編から三人の手による脚色化映画。 20世紀初頭のイタリアとロシアを舞台に繰り広げられる男と女の物語。 ギリシャのアテネからイタリアへ向かう定期船で。 新婚旅行中の初老のロシア紳士が、まだ準備中の食堂船室で。 1人ワインを飲んでいるイタリアおじさん(マストロヤンニの老けメーク)に声かけられ。 この男の8年前ほどの身の上話を聞かされる、その回想シーンによって映画が繰り広げられる。 主人公ロマーノ(マストロヤンニ)はイタリアの小さな食堂の末っ子で。 ローマの大学で建築学を学ぶ所で。 大銀行家の娘(シルヴァーノ·マンガーノ)と恋におち、娘の親には反対されるが、父親の病気で母親に文句を言われつつそこへ結婚で入りこみ、20数年。 その娘(マルト·ケラー)も結婚している。 ただ彼は銀行家になるでもなく、さりとて建築家にもならず。 無為と怠惰に埋没した時を過ごし。 あるきっかけから自身の人生の覚悟を強いられる事に。 その時、男性に添いながら生きてきた女性も。 そんな男性の本気度に現在の安定を捨てて掛けてみようと。 豹変する日常に傾きかけるも。 男の弱腰に、やはり破綻のない安定思考の日常に戻るという。 こういう男女関係のパターンがミハルコフ映画にはよく見られる。 この映画でも主人公は。 妻との結婚生活にない。 幸せ薄いロシア婦人に心ひかれ、妻と離婚し、再婚の覚悟を決めかかるが。 銀行が破綻し、家財道具屋敷共々整理する、どん底の彼女をやはり捨てきれず。 もとのサヤに収まる決断をしてしまう。 この決意をする後ろ姿のマストロヤンニの演技も見ものの一つ。 しかしこの物語は、語りでその後妻側の親戚の力で、盛り返したとあり。 結局この男は無為と怠惰の生活に戻り。 同じ旅人同士の語らいだったと思わされていた観客は。 思いがけない“落ち”を見せられる。 しかしこの男の一緒に生きて行こうの言葉を信じた女は待ち続けていたと、ネタばらしをさせるのが。 そこまでずっと聞き手であったロシア男性で。これは作劇の妙💫。 ここで男の恋話を聞いていたロシアの男は。 自分の昔から知っていた彼女は結婚したが上手くいかず離婚し。 そこで、彼はこの7年間毎年結婚を申し込んできたが。中々いい返事を貰えず。 やっと『私は貴方を愛しはしないが、尽くします』と承諾され結婚となったノだが。 この女こそ。 なにを隠そう〇〇とする所が実にニクイ脚本であった。 しかし映像の魅力。 イタリア上流階級のその屋敷·家具など。 一見、ルキノ·ビスコンテイ映画かを見ているかの出来で 、更に婦人らの衣裳とたたずまい。 いつもながら、そんな大人空間を自由に動き廻る子供達を映像に取り入れる雰囲気は楽しい。 またそこに、広大なロシア平原を移動するジプシー達の華やかな色合い民族衣裳らの動きとイタリアのそれらとの対比が。 この人生模様映画に奥行きを与えてる。 さてそこで、この物語の男女の恋話で思う事は。 主人公は普通の平民の暮らしからの出だから。 夫婦で共に家庭を作り上げていく相手なら。 無為と怠惰の生活にはならなかったかも知れない。 資産家の何不自由ない妻の財力で日常が賄われると。 自分の居場所、活躍する 能力を発揮する機会が生まれないから、結局彼は幸せから遠のくのかも。 ただニキータ·ミコルコフ監督は逆説的にいつも。 『人生は思いどうりに、いかないから愛おしいのだ』 という世界観から映画を作っているのかも知れない。
dreamer
4.5
この映画「黒い瞳」の原作は、チェーホフの「小犬を連れた貴婦人」を基にしている。 チェーホフのこの原作は、今までにも映画化されていますが、この作品の監督ニキータ・ミハルコフは、原作にちょっとしたひねりをつけ、ほろ苦さのあるコメディに仕上げていると思う。 主人公のロマーノ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、ブルジョワの娘エリザ(シルヴァーナ・マンガーノ)と結婚してもう25年もたっている。 怠け者のロマーノは、もう何年も働かず怠惰な生活を送っている。 彼は、たまたま出かけた湯治場で、小犬を連れた貴婦人(エレナ・ソフォーノワ)を見かけ心を奪われる。 彼は、貴婦人の黒い瞳が忘れられず、ロシアへ帰った彼女の後を追って、かの地へと赴くのだ。 ストーリの骨組みはこのような内容ですが、この映画の見どころは、名優マルチェロ・マストロヤンニが扮するロマーノの駄目男ぶりだろう。 つまり、カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した、マストロヤンニのうまさが見どころになっていて、男のずるさ、いい加減さをたっぷりと、薄気味悪いほど見事に演じている。 一見にやけた二枚目にも見えるマストロヤンニですが、この人は意外と硬派な経歴を持っているんですね。 1923年生まれというから、世代的には戦中派で、実際、第二次世界大戦には出征し、イタリアが降伏した後は、北ドイツの強制収容所に入れられ、しかも、そこを脱走してヴェネチアへ逃げ込んだというから凄い。 この「黒い瞳」は、広大なロシアの風景も見どころにもなっていて、撮影は、イタリアと当時のソ連で行なわれ、ソ連ではレニングラード、ボルガ地方、ラドガ湖近辺で行なわれたそうです。 ロマーノの馬車が、ロシアの草原でジプシーの馬車と出会うシーンは、ことのほか美しく、フランシス・レイの流麗な音楽も、実に効果的だ。 ラストシーン近くでロマーノが、「今死んで、神様に何か聞かれたら、何も答えるものがない。子供の頃、母が歌ってくれた子守唄と、エリザの初夜の表情、そしてロシアの霧だけだ。」と、こんなことを言って目に涙をためる。 マルチェロ・マストロヤンニという俳優は、本当に人間の喜怒哀楽を巧みに演じる、見事な名優だと思いますね。
ごーどん
4.0
軽薄哀愁軽薄マストロヤンニ天下一品です
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