内容はいかにも英文学の映画化なんだけど、ブライオニーが目撃する様々な事を恐ろしい未知の存在として少女の視点から描いていて、後半のどんでん返しも含めて最初からブライオニーの視点で描かれていたとわかる演出で、同様の作品には無かった要素で面白かった。 アカデミー賞では作曲賞を受賞したということもあって、ダリオマリアネッリの音楽が兎に角素晴らしい。特に、タイプライターの音を取り入れたブライオニーのテーマ曲は、彼女の持つ独特の緊張感を演出している。 幼少のブライオニーを演じ、助演女優賞にノミネートされたシアーシャローナンの演技も素晴らしく、音楽と彼女の演技が相まって、ブライオニーというキャラクターが非常に奥深いものとなってる。あまりインパクトのある作品ではないが、音楽とローナンの演技のお陰で印象に残った。 他にも、中盤のダンケルクの海岸での長回しシーンは、ノーランの「ダンケルク」のビーチのシーンよりもリアルでクオリティが高かったり、メロドラマの域を超えていて魅力的な作品だった。

少女の罪は何をしたって許されない だから自分で物語を書き綴るしかない あんまりだよ ライト監督とキーラ・ナイトレイの組み合わせ 「プライドと偏見」は胸がキュンキュンして痛いけど、「つぐない」は悲しみで潰れそう 記憶を掘り起こすかのような映像･編集や ダンケルクの海岸からの長回しが印象的 この作品を作るタイミングで、シアーシャ･ローナンがブライオニーと同じ年代の少女であった奇跡よ

タイムスパイラルの演出や、効果的で美しい音楽、各場面の濃密な絡み合いなど、パーフェクトな大河ドラマであると思う。 ラストのバネッサ・レッドグレイブのモノローグにより、本作の本当の主人公と劇中劇が明かされるが、何とも言えない悲劇性が強調される。 また、良質の反戦映画の側面もあり、見応え十分の映画。 それに、本作後、青春映画のヒロインを経て大女優と言っても良いほど成長する子役シアーシャ・ローナンの「確かな演技」が素晴らしい。