矢萩久登5.0先ごろ12月3日深夜に韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳」(戒厳令)を布告、国会により解除を要求、わずか6時間ほどで解除されたニュースが記憶に新しいですが、今回同様に朴正煕暗殺事件後の1979年12月12日に起こった軍内部の粛軍クーデターを描いた『ソウルの春』(2023)が新文芸坐さんで上映されていたので訪館。 『ソウルの春』(2023) 「ソウルの春」とは1968年チェコスロバキアで起こったごく短期間んの自由化・民主化の「プラハの春」になぞらえたタイトル。1979年12月12日に、軍内親衛グループである秘密結社「ハナ会」メンバーと共に軍事クーデターを起こした第11₋12代大統領・全斗煥(チョン・ドゥファン)と第13代大統領・盧泰愚(ノ・テウ)とそれを阻止しようとした首都警備司令官・張泰玩(チャン・テワン)の対立を軸にした民主化を阻んだ反乱軍と鎮圧軍の9時間の攻防を描いたポリティカルサスペンス。 全斗煥大統領の軍事政権下の民主化運動を描いた『光州5・18』(2007)も圧巻でしたが、本作も実に衝撃的な作品。盧泰愚政権の1988年にはソウルオリンピックも開催され、ずっと民主主義体制の隣国というイメージでしたが、直接選挙が再開されたのはつい35年ほど前とは自分の無知もありますが驚きですね。 劇中の「勝てば官軍負ければ賊軍」のセリフが印象的ですが、時が過ぎ一部フィクションや実名を変えていますが、きちんと映画で歴史の暗部を白日の下に晒し、活写する韓国映画界の底力には脱帽しますね。 民主主義といっても国によって千差万別、コンディションはそれぞれなので、本作のような映画を通じて歴史や生い立ちを相互理解するには良いかもしれませんね。Like5Comment0
星ゆたか3.02025.6.26 NHKの❬映像の世紀❭で『韓国戒厳令との闘い』が(2025.6.23)放送。 韓国では昨年末12.13日にも《戒厳令》が前大統領命で発令された!(6時間後解除されるも)。 結果的には、これは大統領失脚の原因にもなっただけの印象が、まだ新しい。 戦後平安な日本で、武(軍)力(例えるなら警察や自衛隊の人たちの命令)で一般市民の言論(反論)の自由が奪われ。 『従わせられる』経験の無い戦後派の大部分の我々には。 ❬戒厳令》下の状況など(幸いながら)想像すら難しい。 もっとも例えば学校でのイジメや。 会社等の組織下でのパワハラなども。 小さな意味では、他者から受ける“私的戒厳令”と言えなくもない。 それが、遠い異国の世界の話ではなく。 同じアジアのしかも、隣国の韓国では、戦後17回も《戒厳令》が発令されたと言うではないか⁉️ だから、国民は過去の痛ましい記憶を、❬戒厳令❭その度に喚起される事になり。 昨年末では、民衆の自由化を阻止し、更に不満·怒りを増長させるだけの結果になり。過去の状況とは違い、6時間で解除されたのだ。 そういった歴史の上にある韓国では。2000年代になり。 《軍の抑圧に抵抗する人々の気持ち》の代弁としての映画のパワーが、単に娯楽として存在するだけでなく。 情緒深く、真摯に力強く、成熟した作風の持ち前となっている。 この映画「ソウルの春」は。 日本の岸信介(元首相)と戦中統治下韓国の陸軍学校からのパク·チョンヒの縁故から。 日韓国交正常化を踏み、その結果“経済援助”(統治下の“賠償金請求”対応でなく)を受けられ。 韓国の経済発展の基盤を作った。 18年の独裁政治を担ってきたそのパク·チョンヒ大統領が。 1979年10月26日KCIAの部長によって暗殺された事件。 その後、チャン·ドウファン(国軍保安司令官)による。 クーデターで軍部が掌握され。 1980年5月17日戒厳令発動。 そこでも起きた、学生の民主化を求めるデモ活動を。 軍部は武力で鎮圧しようと対立した❗️。 それが、市民を巻き込んでの光州事件に拡がり(5.18~27)。 そこでは、犠牲者数百名を生む大惨事となった。 映画はその憎々しいチャン保安司令官(ファン·ジョシミン)と。 首都警備司令官(チョン·ウソン)との一進一退の司令合戦(軍隊移動)が繰り広げられる。 映画に登場してくる、様々な階級の軍人像(強弱·正悪)が面白い。 クーデターを起こし、階級の保身だけで動き回る軍人人脈人間関係図。 先頃新聞の「日韓世論調査」の結果を見た。 長い間、韓国も中国も。 あの第二次世界大戦後の日本への恨みがあり。 賠償金が先で。いつまでも不快な印象が強かったが。 ここへきて、特に若い戦争を知らない世代には。 漫画や音楽や映画そしてスポーツ等の魅力で。 『親しみ』が過去最高(5割)になっているとの事で。 それすら若者世代には、韓国の日本統治下歴史を日本教育歴史で、あまり深く学ばぬ我々には。 こういった認識すら、どこか他人事に受け流しているような気がする。Like3Comment0
wishgiver4.5『アシュラ』以来の共演、ファン・ジョンミン×チョン・ウソン、渾身の熱演が観る人の心を鷲掴みにする傑作。 緊張感と疾走感がすごいし、映像もすごい。 実話ベースで結末を知ってても最後まで目が離せませんでした。 ちなみに本作はパク大統領の暗殺を描いた『KCIA 南山の部長たち』直後の話で、後日、歴代韓国大統領と映画作品について時系列でまとめたいと思います。 2025.6.16@AmazonプライムLike2Comment0
のっ3.5軍隊の名前など初めの段階で自己紹介のようにダーッと並べられるので、韓国語が分かれば分かりやすいのかも? 自分は字幕を追っていると顔と所属などが早いスピードで進んでしまうので見落としたことで話わからなくなったらどうしようかと焦りました。 が、見ていれば思っていたより分かりやすかった。 ファンジョンミンの悪役感がもっと強かったらなぁ。でもあんな髪の毛の薄い役、初めて見たのでどんな役もこなせて流石だな。 ウソンの軍人の決意に目頭が熱くなってしまったぜ。 ちょっと1979年の事件を調べてみたくなった。Like2Comment0
Schindler's Memo4.5久々の凄い戦争映画。 チョン・ドゥファンによる軍事クーデターを描いている。 当時の死者は3人だが、韓国の精鋭部隊同士の戦闘が起きれば、おそらく何百もの戦闘員が死亡したであろうし、その後内戦状態となり、もしかしたら北朝鮮軍が雪崩れ込んでいたかもしれない。 映画はその恐怖を、極めて緊張感を高めたドキュメンタリー的なカメラワークと切り詰められたセリフで走り切る。あっという間の150分であった。 そしてこの映画のエラいところは、きちんとエンターテイメントであるところだ。商業映画として観客を惹きつける娯楽性を備えているのは素晴らしい。 この前に撮られた、この映画の前日譚のような「KCIA 南山の部長たち」、この後起こる光州事件を描いた「1987 ある闘いの真実」とか「タクシー運転手」なども、伝えたいメッセージと娯楽性を兼ね備えた傑作揃いだと思う。 私的には、本作におけるチョン・ドゥファン、彼の後大統領になるノ・テウの軍閥的なものの考え方と人間性を垣間見て興味深かったし、改めてシビリアン・コントロールの重要性を認識した次第。Like1Comment0
Little Titan4.51. 予備知識不要のエンタメ 韓国の近代史を知らなくても、いや寧ろ知らない人程、のめり込める大エンターテインメント。オチ(史実)を知っている韓国の観客向けの作品だけど、前日譚にあたる「KICA」以降の史実に不案内だからこそ、終盤までどちらが勝つか分からず、ドキドキし通しだった。 🇰🇷 2. 事件は司令室で起きてるじゃないっ! 実話ベースとは言えフィクションなので、誇張も多そうだが脚色の仕上がりは最高。現場の深刻さを把握できない上司の決断や、橋の封鎖の失敗が事態を悪化させる件はそれこそ「踊る大捜査線」。 🇰🇷 3. ピエール瀧? 張本勲? 韓国の俳優さんに精通してないので、時々どっち側の人だか見失いガチでした。どっち側にも角度や表情によって、P瀧さんに見える人が居るのが可笑しかった。張本勲さんそっくりの軍人さんが喝を飛ばしてるのも面白かった。 🇰🇷 日本も第二次大戦で負けるまで軍事政権だったけど、1970年後半には暗殺で「春」を迎える国じゃなくかったのは幸運。政権交代は純粋に選挙で、血を流す必要ない世界であり続けたい。Like1Comment0
矢萩久登
5.0
先ごろ12月3日深夜に韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳」(戒厳令)を布告、国会により解除を要求、わずか6時間ほどで解除されたニュースが記憶に新しいですが、今回同様に朴正煕暗殺事件後の1979年12月12日に起こった軍内部の粛軍クーデターを描いた『ソウルの春』(2023)が新文芸坐さんで上映されていたので訪館。 『ソウルの春』(2023) 「ソウルの春」とは1968年チェコスロバキアで起こったごく短期間んの自由化・民主化の「プラハの春」になぞらえたタイトル。1979年12月12日に、軍内親衛グループである秘密結社「ハナ会」メンバーと共に軍事クーデターを起こした第11₋12代大統領・全斗煥(チョン・ドゥファン)と第13代大統領・盧泰愚(ノ・テウ)とそれを阻止しようとした首都警備司令官・張泰玩(チャン・テワン)の対立を軸にした民主化を阻んだ反乱軍と鎮圧軍の9時間の攻防を描いたポリティカルサスペンス。 全斗煥大統領の軍事政権下の民主化運動を描いた『光州5・18』(2007)も圧巻でしたが、本作も実に衝撃的な作品。盧泰愚政権の1988年にはソウルオリンピックも開催され、ずっと民主主義体制の隣国というイメージでしたが、直接選挙が再開されたのはつい35年ほど前とは自分の無知もありますが驚きですね。 劇中の「勝てば官軍負ければ賊軍」のセリフが印象的ですが、時が過ぎ一部フィクションや実名を変えていますが、きちんと映画で歴史の暗部を白日の下に晒し、活写する韓国映画界の底力には脱帽しますね。 民主主義といっても国によって千差万別、コンディションはそれぞれなので、本作のような映画を通じて歴史や生い立ちを相互理解するには良いかもしれませんね。
星ゆたか
3.0
2025.6.26 NHKの❬映像の世紀❭で『韓国戒厳令との闘い』が(2025.6.23)放送。 韓国では昨年末12.13日にも《戒厳令》が前大統領命で発令された!(6時間後解除されるも)。 結果的には、これは大統領失脚の原因にもなっただけの印象が、まだ新しい。 戦後平安な日本で、武(軍)力(例えるなら警察や自衛隊の人たちの命令)で一般市民の言論(反論)の自由が奪われ。 『従わせられる』経験の無い戦後派の大部分の我々には。 ❬戒厳令》下の状況など(幸いながら)想像すら難しい。 もっとも例えば学校でのイジメや。 会社等の組織下でのパワハラなども。 小さな意味では、他者から受ける“私的戒厳令”と言えなくもない。 それが、遠い異国の世界の話ではなく。 同じアジアのしかも、隣国の韓国では、戦後17回も《戒厳令》が発令されたと言うではないか⁉️ だから、国民は過去の痛ましい記憶を、❬戒厳令❭その度に喚起される事になり。 昨年末では、民衆の自由化を阻止し、更に不満·怒りを増長させるだけの結果になり。過去の状況とは違い、6時間で解除されたのだ。 そういった歴史の上にある韓国では。2000年代になり。 《軍の抑圧に抵抗する人々の気持ち》の代弁としての映画のパワーが、単に娯楽として存在するだけでなく。 情緒深く、真摯に力強く、成熟した作風の持ち前となっている。 この映画「ソウルの春」は。 日本の岸信介(元首相)と戦中統治下韓国の陸軍学校からのパク·チョンヒの縁故から。 日韓国交正常化を踏み、その結果“経済援助”(統治下の“賠償金請求”対応でなく)を受けられ。 韓国の経済発展の基盤を作った。 18年の独裁政治を担ってきたそのパク·チョンヒ大統領が。 1979年10月26日KCIAの部長によって暗殺された事件。 その後、チャン·ドウファン(国軍保安司令官)による。 クーデターで軍部が掌握され。 1980年5月17日戒厳令発動。 そこでも起きた、学生の民主化を求めるデモ活動を。 軍部は武力で鎮圧しようと対立した❗️。 それが、市民を巻き込んでの光州事件に拡がり(5.18~27)。 そこでは、犠牲者数百名を生む大惨事となった。 映画はその憎々しいチャン保安司令官(ファン·ジョシミン)と。 首都警備司令官(チョン·ウソン)との一進一退の司令合戦(軍隊移動)が繰り広げられる。 映画に登場してくる、様々な階級の軍人像(強弱·正悪)が面白い。 クーデターを起こし、階級の保身だけで動き回る軍人人脈人間関係図。 先頃新聞の「日韓世論調査」の結果を見た。 長い間、韓国も中国も。 あの第二次世界大戦後の日本への恨みがあり。 賠償金が先で。いつまでも不快な印象が強かったが。 ここへきて、特に若い戦争を知らない世代には。 漫画や音楽や映画そしてスポーツ等の魅力で。 『親しみ』が過去最高(5割)になっているとの事で。 それすら若者世代には、韓国の日本統治下歴史を日本教育歴史で、あまり深く学ばぬ我々には。 こういった認識すら、どこか他人事に受け流しているような気がする。
wishgiver
4.5
『アシュラ』以来の共演、ファン・ジョンミン×チョン・ウソン、渾身の熱演が観る人の心を鷲掴みにする傑作。 緊張感と疾走感がすごいし、映像もすごい。 実話ベースで結末を知ってても最後まで目が離せませんでした。 ちなみに本作はパク大統領の暗殺を描いた『KCIA 南山の部長たち』直後の話で、後日、歴代韓国大統領と映画作品について時系列でまとめたいと思います。 2025.6.16@Amazonプライム
tanmen429
3.5
映像の作り込みが凄い。そんな結末かい、とシンプルに暗い気持ちになるけど、そこにメッセージ性を感じる
のっ
3.5
軍隊の名前など初めの段階で自己紹介のようにダーッと並べられるので、韓国語が分かれば分かりやすいのかも? 自分は字幕を追っていると顔と所属などが早いスピードで進んでしまうので見落としたことで話わからなくなったらどうしようかと焦りました。 が、見ていれば思っていたより分かりやすかった。 ファンジョンミンの悪役感がもっと強かったらなぁ。でもあんな髪の毛の薄い役、初めて見たのでどんな役もこなせて流石だな。 ウソンの軍人の決意に目頭が熱くなってしまったぜ。 ちょっと1979年の事件を調べてみたくなった。
Schindler's Memo
4.5
久々の凄い戦争映画。 チョン・ドゥファンによる軍事クーデターを描いている。 当時の死者は3人だが、韓国の精鋭部隊同士の戦闘が起きれば、おそらく何百もの戦闘員が死亡したであろうし、その後内戦状態となり、もしかしたら北朝鮮軍が雪崩れ込んでいたかもしれない。 映画はその恐怖を、極めて緊張感を高めたドキュメンタリー的なカメラワークと切り詰められたセリフで走り切る。あっという間の150分であった。 そしてこの映画のエラいところは、きちんとエンターテイメントであるところだ。商業映画として観客を惹きつける娯楽性を備えているのは素晴らしい。 この前に撮られた、この映画の前日譚のような「KCIA 南山の部長たち」、この後起こる光州事件を描いた「1987 ある闘いの真実」とか「タクシー運転手」なども、伝えたいメッセージと娯楽性を兼ね備えた傑作揃いだと思う。 私的には、本作におけるチョン・ドゥファン、彼の後大統領になるノ・テウの軍閥的なものの考え方と人間性を垣間見て興味深かったし、改めてシビリアン・コントロールの重要性を認識した次第。
松井
4.0
ファン・ジョンミンの演技相変わらず良かった
Little Titan
4.5
1. 予備知識不要のエンタメ 韓国の近代史を知らなくても、いや寧ろ知らない人程、のめり込める大エンターテインメント。オチ(史実)を知っている韓国の観客向けの作品だけど、前日譚にあたる「KICA」以降の史実に不案内だからこそ、終盤までどちらが勝つか分からず、ドキドキし通しだった。 🇰🇷 2. 事件は司令室で起きてるじゃないっ! 実話ベースとは言えフィクションなので、誇張も多そうだが脚色の仕上がりは最高。現場の深刻さを把握できない上司の決断や、橋の封鎖の失敗が事態を悪化させる件はそれこそ「踊る大捜査線」。 🇰🇷 3. ピエール瀧? 張本勲? 韓国の俳優さんに精通してないので、時々どっち側の人だか見失いガチでした。どっち側にも角度や表情によって、P瀧さんに見える人が居るのが可笑しかった。張本勲さんそっくりの軍人さんが喝を飛ばしてるのも面白かった。 🇰🇷 日本も第二次大戦で負けるまで軍事政権だったけど、1970年後半には暗殺で「春」を迎える国じゃなくかったのは幸運。政権交代は純粋に選挙で、血を流す必要ない世界であり続けたい。
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