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アドレセンス
平均 3.5
原題の「Adolescence」は「思春期」とか「青年期」の意味。 Netflix配信の全4話におけるイギリス製作のドラマです。 Netflixものはいつも期待していないのですが、これはワンカットの撮影と脚本や構成が優れていて一気に観られた秀作でした。 ある朝、ある住宅に突然の警察部隊の突入があり一人の少年が連行される。 13歳のジェイミーを容疑者として拘束。 家族の前で素早く淡々と手順通りに行われるやり方に観ている方も唖然とした。 警察に行くとジェイミーは未成年だから「Appropriate adult」と言われる適切なふさわしい大人として父親エディをそばに置く。 唖然として動揺するジェイミー、心配する家族、そんな少年犯罪の真相を描くストーリーです。 内容はある少年犯罪の加害者とその家族、教育現場、加害者の収容された更生施設での面談、苦しむ加害者家族を描いているのですが、どれも緩みが全くない。 「1日目」、「3日目」、「7ヶ月目」、「13ヶ月目」の構成がとても効いていた。 特に3話目の心理療法士ブリオニー・アリストンとの面談はすごい。 一見、ひ弱なジェイミーが面談中に何度も激昂する場面では、単なる思春期の感情の揺れとは思えぬほどの本性が見え隠れしていた。 何度も「男であることにどう感じるか?」と聞かれ、さらに父親エディの事を掘り下げられるジェイミー。 女性の体に興味がある年頃だからその辺は普通のことだけど、ジェイミーは被害者ケイティの言動を許せなかった。 そこには劇中に感じられる男性弱者独特の思想、コミュニティの問題が見えてくる。 狭い社会である学校でモテない、いじめられているなどの存在をネット上でおもしろおかしく書き立てる現在。 刑事の息子アダムが父に教えたのが絵文字や色で意味が違うと言う真実。 空回りしている父親の捜査に助言したアダムだが、彼自身もいじめられている存在。 でもみんなのやり取りを見たくてSNSのアカウントは持ち続けている。 (それは他の生徒達の状況を見ることで生きていく道を模索しているよう…) 第4話では加害者家族の苦しみをリアルに描いていた。 周りに嘲笑されながら窮屈な気持ちで暮らしているジェイミーの家族。 車に落書きされて、ホームセンターでは父がペンキを車に浴びせ、何が起きてもおかしくない状況。 確かに犯罪者の家族は生きるだけで大変だと思う。 しかし、エディの言動には最初からDV気質を感じたのは私だけかな。 自分の父親のように暴力的にならないようにしていたエディ。 夫婦仲は一見良さそうに見えたが、妻のマンダは夫の機嫌をいつも気にしている。 家族で車にいる時にジェイミーからの電話。 「裁判も近いので罪を認めようと思う」と言うジェイミー。 彼が更生できるのかどうかは全わからない。 それ以上にネット社会の弊害はもっともっと大きくなるだろう。 演じる役者陣も素晴らしく、学校のシーンでは先生役はすべて撮影スタッフが演じ、数多くの生徒をその場その場で誘導していたと聞き、圧倒されました。 気持ちは重くなる作品だけど凄い作り方でした。