
kghr16
汚れなき子
平均 3.3
よくある拉致監禁からの母子脱出ものかと思ったら1話目で「あれ、違うぞ」となって、2話目で「これどうなるの…?」となり、やめどきがわからなくて一気見。 12歳の娘のハンナがとても可憐なのだけど、その言動が何を考えているのか何が目的なのかわからなくて、彼女のその無垢さと不気味さとそこに潜む違和感に引き込まれていく。 登場人物は少なく、物語は淡々と、それでいて真実がひとつ明かされると新たな疑問が生まれる。 5話目まではものすごくおもしろい。 ただ、予算の都合なのかラストがとてもあっけなく終わってしまうのでモヤモヤは残るかも。 ◆ 以下ネタバレあり。 というか疑問。 ・ ・ ・ ●犯人がレナ・ベックを狙ったのは母親に似ていたから?仕事のあとコーヒーを勧められて惚れてしまったから?あるいはそのどちらも? ●犯人はハンナと血のつながりがないことを知っていたのか?おそらく知らなかったと思う。血がつながっていない子供を「お気に入り」にはしないだろうから。 ●ハンナは父親を愛していたのか。ヤスミンにガラスの破片を渡した意図はなんだったのか。あの環境から逃げ出したいとは思っていなかっただろうから(だってあの環境が異常だとそこで生まれ育ったハンナが知るはずはない)、単純にパパのところへ戻るまでの護身用として渡しただけ?それとも「すべてうまくやった」ことの証明? ●ヤスミンは犯人が生きていてかつ自分の居場所を知っていることにも気がついていたのに、誰にも助けを求めなかった。洗脳の影響?それともハンナとヨナタンを守ろうとした?原題が「Liebes Kind(愛しき子ども)」であることを考えるとその説もしっくりくるけど。 ●犯人の出自について。両親を早くに亡くしたのはなぜか。祖父に育てられたということは祖父も似たようなことを…と想像すると怖い。犯人自身が「汚れなき子」だったということもある。 ●いち警備会社社長が軍事施設内に侵入し、家を作り、地雷を設置したりすることは可能か。これを問うのは野暮かもしれないけど。 ●レナの母親と刑事が不倫してたくだり要ります? ●娘が突然失踪して、13年後に担当刑事から「レナかもしれない」と電話を受けたらああなるのは仕方ないのだろうけど、おじいちゃん、少しイラッとしてごめんなさい。おいロリコンか?と思ってごめんなさい。 ◆ と、こういうことをつらつらと考えつつ原作のレビューを見てみたら、どうやら原作とはラストが違うみたい。 特に原作では「被害者にも落ち度はある」的な書かれ方をしていたようで、そうするとなんとなくドラマのラストをああした意味がわかる気がする。 原作には女刑事のアイダは登場していないそうで、主要な登場人物のほとんどを女性にしたのは「女は女であるだけで危ない目にあう」という製作陣の意図もあったのかな。 宮部みゆきの『模倣犯』を読んだあとだったので、「いや、女の子は危ない目に「遭う」のではない、女の子は危ない目に「遭わされる」のだ」というセリフを思い出した。 ◆ まあいずれにせよいい作品でした。 特にハンナ役の女の子がすばらしい。 あとちょっとしか出演シーンがないにも関わらず、レナをとても魅力的な女性として演じた女優さん(ジャンヌ・グルソー?)もよかったです。