レビュー
「犯人探しに期待するな」 岡崎京子の同名漫画を実写化。原作は未読だが、94年発表時代からSNSなど今風にアレンジしてると思われる。マスコット的存在で「チワワ」と呼ばれていた女性が、バラバラ遺体となって東京湾で発見されたとこから「チワワ」とは一体何者だったのか、過去と現在を織り交ぜ迫る話。 「ヘルタースケルター」「リバーズ・エッジ」など、岡崎京子漫画は数々実写化されたが、青春のキラキラ度は1番か。ひとつ注意したいのはチワワちゃんは誰に殺されたのかのサスペンスではなく、そもそも犯人が誰かなんて最後まで見ても分からないのでそういうの期待すると痛い目にあう。 かといって「桐島、部活やめるってよ」みたいな本人不在の群像劇でもなく、チワワちゃん本人はガッツリ出てくるし、何だったらこの映画はタイトル通り、チワワちゃんが主役と言っても過言ではない作り。この映画はあくまでチワワの人となり、表と裏の顔をインタビュー形式っぽく聞く映画。 結局最後まで見てもチワワちゃんが何者で何がしたかったのかはあまり分からないが、そんなもんだろうなと妙に納得してしまったぐらいのエネルギッシュさは感じられた。周りを巻き込む破天荒ぶりでも、その愛くるしさと可愛さ故か何故かチワワは中心人物であり、そこに若干の歯痒さと嫉妬を感じる門脇麦が良い。チワワちゃんを演じてる吉田詩織は初めて見たが、なんかホントにこんなヤツいそうな感じで、可愛さも絶妙で良かった。 若さ特有のチャラチャラキラキラな感じが受け入れ難い人もいると思うが、自分はそれも踏まえて面白かった。ああ、でもやっぱサスペンス要素はあると思ってたのでそこは肩透かし感はあったのは否めないかな。 余談、成田凌てホントクズ役が板に付いたな。この映画でもダントツのクズぶりだよ。
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