
てる

カジノ
平均 3.5
マーティン・スコセッシの作品って面白いけど長いんだよなぁ。3時間はそう易々とは観れない。観る観る詐欺をしていたが、ようやく引導を渡せた。 さすが、スコセッシ。骨太のクライム映画でした。有象無象魑魅魍魎が跋扈するラスベガスのカジノを経営する元予想屋の話し。ギャンブルってどれもそうだと思うけど、怖いよね。客は一攫千金を夢見て、ギャンブルに励むわけだけど、最終的には必ず店が得をするシステムになっている。如何に客に金を落とさせるのかが経営者側の手腕だ。しかし、店としては客が損をするシステムというのを感づかせない。あくまでギャンブルはゲームであるからして、得をしようと損をしようと、ゲームの範囲を逸脱しようと自己責任でお願いしますよというスタイルなのだ。上手いこといけば荒稼ぎ出来る職業だ。でもほんと、古今東西様々な形で賭博ってのはあるもんだけど、こういうの考える人間ってのは、まともな神経してないヤクザ者だよなぁ。もちろん、この作品に出てくる人間はそんな人ばかり。唯一まともなのが、デニーロ演じるサム。真面目な性格で堅実にかつ大胆な発想でカジノ界に新しい風を入れた男。とはいえ、この人も大概クレイジーなんだろうね。この魑魅魍魎が蠢く世界で我をしっかり持って、欲で振り回されないのは大した自制心だ。ある意味で化け物のようなこういう人が大きな社会を回しているんだろうなぁ。 その真逆に位置するニッキー。志を同じくして、ラスベガスに出るもこうも違うもんかね。ある意味で最もラスベガスらしい人間なのかも。やっぱりこういう力で物を言わすタイプの人を社会に出しちゃダメだよね。自分はアウトローな人間なんだと、まともな死に方なんてしないとか言ってるような人は、開き直ってるから質が悪い。こういう人は、刑務所か更正施設に行くしかないと思う。案の定まともな死に方はしなかった。 あと、今回で一番クレイジーだったのが、奥さん。美人で賢く、ラスベガスを飄々と生きる彼女は確かに魅力的だ。でも、小悪党なヒモがいて、そのヒモに引っ張られるようにズブズブと悪い方に転がっていってしまう。カジノでは要領よく立ち回ってる彼女だけど、ヒモの前だと急に頭の悪い女に変わってしまう。利用されてるだけなのに、それを全く気づいていない。幼少期に何かあったのだろうか。結局、彼女は男と金に振り回されて破滅へと向かっていった。破滅型の人間なのだろう。誰がどう見てもヤバいのに、本人に自覚がないので、誰が何を言おうと変わらない。自身で破滅へ向かっているのを自覚しなければどうにもならない。こういう人にはならないように気をつけるのと、こういう人とは関わらないように心掛けよう。 長い長いドラマを観たような感覚だ。こういう人がいるんですよというドキュメンタリーを観ているようでもある。分かりやすいメッセージがあるわけでもない。でも、淡々としているわけでもない。スコセッシの作品に関わらないけど、クライム映画ってどう観て、どう受け入れていいかいまいちわからない。とりあえず、今回は、どんな世界だろうと堅実さが大事というのと、ヤバい女には気をつけようってのだけは伝わった。