
dreamer

セックスと嘘とビデオテープ
平均 3.1
"セックスと嘘が蔓延する欺瞞的な現代人の深層心理をシニカルに描いた、スティーヴン・ソダーバーグ監督の第1回監督作品 「セックスと嘘とビデオテープ」" この映画「セックスと嘘とビデオテープ」は、1989年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールとジェームズ・スペイダーが最優秀主演男優賞を獲得し、世界中の映画人が、新しい才能の開花に絶大な拍手を贈った事で知られる、当時、弱冠26歳の新鋭スティーヴン・ソダーバーグの第1回監督作品です。 "セックスと嘘が蔓延する欺瞞的な現代人の深層心理"を、ビデオカメラを向ける事で、鋭くセンセーショナルに抉り出していきます。 斬新な映像感覚と、気負いのないシンプルでストレートなセリフ回しが、優しげで小気味よく、"スリリングな心理ドラマ"として展開していくのです。 そして、我々観る者が手に汗握って見守るのは、映画に登場する4人の男女の"心の謎"なのです。 最初に登場するのはアン(アンディ・マクダウェル)。結婚生活は順調ですが、"あの時"夫に体を触れられるのが嫌だと精神科医に告白します。 アンの夫ジョン(ピーター・ギャラガー)は、自由奔放なアンの妹シンシア(ローラ・サン・ジャコモ)と愛人関係にあるのです。 一見すると理想的な夫婦。しかし有能な弁護士として将来を約束されたジョンは、アンの実妹シンシアと愛人関係になり、そんな事とは露知らぬアンでしたが、自分の体が潜在意識下において、無意識に夫を拒否し始めていたのです 。"理由のない不安感と焦燥"に悩むアン----。 そんなある日、彼らの家にジョンの旧友グレアム(ジェームズ・スペイダー)がやって来ますが、このミステリアスな魅力に満ちた来訪者の存在が、アン、ジョン、シンシアの微妙な関係を揺さぶり、大きな渦を巻き起こし、次第に真実が露呈していくのです----。 グレアムの存在はアンを瞬く間に虜にしてしまいますが、セックスライフを赤裸々に告白する女性をビデオに撮るのが趣味だというグレアム----。 セックスシーンは一つも出てこないのに、抑制の効いたカメラワークと控え目な言い回しが、セックスをめぐる不協和音に満ちた四重奏を見事に奏でていると思います。 スティーヴン・ソダーバーグ監督は、彼のデビュー作において、早くも人間同士の本質的な関係を深層心理の奥までシニカルに描く事で、芸術の域にまで高めたと思います。 そして、この映画で衝撃的に素晴らしかったのは、グレアムに扮したジェームズ・スペイダーの透明感溢れる繊細な容姿と言動で、カンヌで絶賛され、最優秀主演男優賞を受賞したのも当然だと思わせる程、最高に魅力的だったと思います。 尚、この映画は1989年度のカンヌ国際映画祭で、パルム・ドール賞、最優秀主演男優賞、国際批評家連盟賞を、同年のLA映画批評家協会賞の最優秀主演女優賞(アンディ・マクダウェル)を、インディペンデント・スピリット賞の最優秀作品賞・監督賞・主演女優賞・助演女優賞(ローラ・サン・ジャコモ)を受賞しています。 2016/08/28 by drea