レビュー
ユングとフロイトの間に生まれた確執には、実はザビーナという一人の女性が関係していた…という、ユングの死後に発見された手記を基に描かれた映画です。本作はとにかくキーラ・ナイトレイの一人舞台といっても過言ではなく、冗談抜きによくこんな役を引き受けたなと思ってしまうほどです。 ザビーナは今で言う『ヒステリー』に苦しむ女性で、叫び喚いて奇抜な行動を取り、顔面や体がひきつってアゴが前に突き出てしまうのですが、これを100%本気で演じきったキーラ・ナイトレイには拍手喝采。一方でストーリーの方は全員が心理学の虜だからか、顔を合わせる度に小難しい議論ばかりが繰り返され、少々難しくてついていけなかったです。 ただ、性欲に対する抵抗を主張するユングその人自身がザビーナとの恋に溺れていく様は、見ていて皮肉であり悲劇的でもあり…決して手放しで誉めるような映画ではないものの、深い余韻を残す一作でした。
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