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ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に
平均 3.4
2024年02月15日に見ました。
ロバート・ハリスの世界的ベストセラー小説"Munich – The Edge of War"の映画化作品。 1938年秋、チェコスロバキアへの侵攻を図るヒトラーに対し、イギリス政府チェンバレン首相は戦争を避け平和的解決に導こうとしていた。 しかしミュンヘン会談を前に、ヒトラーの隠された本当の意向を知る反ナチスのドイツ外交官ポールはオックスフォードの同級生で英国首相の私設秘書ヒュー・レガトと密かに会い、チェンバレン首相に署名を思いとどまるよう証拠文書を渡す。 ---------------------------------------------- 歴史的事実にフィクションを加えたサスペンスとして、とても面白く見応えがありました。 オックスフォードで仲の良かったポールとレガトが疎遠になった理由、そしてナチスを支持していたポールの翻意の理由が当時の状況に合わせて非常にリアルに設定されていて、説得力も充分。 チェンバレン役ジェレミー・アイアンズ、レガト役ジョージ・マッケイ他、アウグスト・ディール(『名もなき生涯』)、ザンドラ・ヒュラー(『ありがとう、トニ・エルドマン)など実力派を多数配したキャスティングも◎で、ミュンヘン協定の前後の史実を知って鑑賞すると3倍楽しめます。 ---------------------------------------------- この会談で署名されたミュンヘン協定は、後年「第二次世界大戦勃発前の宥和政策の典型」とされ、近代の外交的判断失敗の代表例として扱われています。 イギリスの参戦は無いと踏んでいたヒトラーですが、100%の確信はなく、この賭けに勝ったヒトラーはその後大躍進を遂げます。 実際この1年後にヒトラーは協定を無視してポーランドに侵攻、批判が高まったチェンバースは辞任、そしてチャーチル首相が就任することになりますが、ここでも最後まで参戦を躊躇するイギリスの様子は『ウィンストン・チャーチル』に詳しいです。 2024.2.15@Netflix