
cocoa

セントラル・ステーション
平均 3.6
原題は「Central do Brasil」。 1998年製作のブラジル映画で、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた作品です。 ブラジル、リオの中央駅で代筆業をしている中年の女性ドーラ。 ある日少年ジョズエが母親と来て手紙を依頼。 翌日、ジョズエの目の前で母親が事故死。 一度はジョズエを養子縁斡旋業に売ったドーラは臓器売買組織と知りジョズエを取り戻す。 そしてジョズエを父親のもとに連れて行くために二人の旅が始まる…そんなストーリー。 人の多いセントラル・ステーションの風景にまず圧倒された。 多くの人々が行き交う雑踏のようなホームや駅舎から流れ出てくる日常風景。 その広場で代筆業を営むドーラは決して善人ではない。 文盲の人々の気持ち溢れる言葉を淡々と手紙にしてお金を取る。 一回、1レアル。 当時は112円ほどだったが翌年から貨幣価値が暴落したはず。 ドーラは預かった手紙を捨てたりタンスに入れっぱなしで投函しない。 ジョズエは最初は反抗的でドーラに対しても信頼していない。 ストリートチルドレンになる運命だったが2人でバスに乗り、遠く父親の住む地へ向かうのですが、ここでも紆余曲折な出来事だらけ。 親切なトラックドライバーに助けられたと思ったら、ドーラの女心に気づいて置いていかれる。 一文無しになった2人は途中でキリスト教の火祭りのような広場に行き着く。 ジョズエの提案で「聖母や家族宛に」と代筆業を始めるドーラ。 代筆を頼む人の幸せそうな表情がとても印象的だった。 最後に行き着いた父親の住まいには父親はいなかったが兄弟がいた。 大工の仕事を引き継いでいる兄に安心するドーラ。 そして父親からジョズエの母親アンナに向けて書かれていた手紙を読むドーラ。 安心してそっと家を出たドーラのバスを追いかけるジョズエの姿にも感動。 バスでジョズエに手紙を書き涙するドーラの姿も良かった。 一筋縄ではいかない性格のドーラだったがジョズエとの旅で何かが変わったはず。 父親の帰りを兄弟と待てるジョズエの幸せも祈りたくなった。 文盲率が高く貧しい人が多いと言われるブラジル。 画面いっぱいに溢れる躍動感や道中の埃っぽい風景も味わい深い。 音楽も印象に残るじんわりとするロードムービーでした。