
100円ライター

ひゃくはち
平均 3.5
はっきりいって見る前は期待していなかった。レンタルビデオ屋の割引券の有効期限が切れそうだったので、なんとなく借りたのだったが、かなりの好作品だった。 高校野球に関する作品といえば『タッチ』を筆頭に、美しくて、お涙頂戴で、カワイイ女の子が出てきて、主人公はヒーローで、何もかもがうまく行く青春モノか、『ドカベン』に代表される、マニア的に野球の側に特化しつつも、球児のプライベートはやや薄めという2つのパターンがほとんどだ。 本作の主人公2人は補欠。親友同士で予選の背番号の最後の一つを争うというお話しだ。 これだけだと、もういかにもという感じだろう。しかしこの作品を味わい深くしているのは、これまでタブーとされてきた、高校球児の、そして高校野球の実像を、ほんの少しではあるけれども描いている点にある。 冒頭直後、主人公の一人が洗濯機に隠してあったタバコを吸うシーンにはじまり、秋の大会のベンチ入りが決まると父親に注がれたビールに口をつける。部員たちは影で監督の悪口を言い合い、その監督は監督でプロのスカウトから接待を受けネーちゃんの尻を触って酔っ払ったりしている…、とまあ普通にあるようなことが、普通に描かれている。 思い返しても見れば、高校時代など、耳を手でふさぎながら、叫びたくなるような、はずかしい出来事ばかりだったじゃないですか? 皆さん。高校球児は皆がハンカチ王子ばっかりじゃないのだから。 ラストこそ少々ありがちな「美しさ」でシメた感はあったが、クサさ、ワザとらしさは感じられず視聴後感は非常に爽快だ。 野球映画と言うと俳優たちの下手なプレー姿にリアリティを感じられず、見る気をなくすものだが、まだ体も技術も完成途上で、丸刈りにすればそこそこビジュアルも見れてしまう高校野球と言うこともあるだろうが、本作俳優陣にはまったく違和感がない。単に野球映画という括りで見ても、かなりの秀作と言えるだろう。 原作は漫画らしい。こちらも是非、読んでみたい。