レビュー
Till

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5 years ago

3.5


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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵

映画 ・ 2020

平均 3.4

アパルトヘイトに反対して投獄された男たちの脱獄を描くスリラー映画。 穴を開けたり、入れ墨を彫ったり、様々な工夫を凝らした「脱獄」を今まで観てきたが、本作のような【鍵を作る】正面突破タイプは初めてだった。「脱獄への10の鍵」というサブタイトルがつけられているが、実際はもっと多くの鍵を作っており、しかもその方法が「形を見て覚える」という力技。これがもしフィクションなら「そんなんできるわけないやろ」と興醒めするところだが、実話なのが凄い。「事実は小説より奇なり」とはまさにこのこと。 そして本作はスリラー映画としての完成度が非常に高い。看守にバレたら終わりという緊張感の中で、主人公たちは様々な試行錯誤をしながら計画を進めていくのだが、その過程で「届きそうで届かない」「開きそうで開かない」といったもどかしいシーンが多々あり、思わず手に力が入ってしまうようなハラハラドキドキ感を味わえる。 ただ、「人種差別」というテーマを扱っておきながら、描かれているのはほぼ脱獄する場面のみで、いまいちメッセージ性に欠ける。登場人物の掘り下げ方も甘く、主人公たちがどういう経緯で反アパルトヘイト派になったのかがわからない。実話ベースにするならここをもう少し描いてほしかったなと思う。