レビュー
Schindler's Memo

Schindler's Memo

2 years ago

3.5


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女囚701号 さそり

映画 ・ 1972

平均 3.4

このシリーズが封切りされた当時、義務教育のボクだった身としては、後年池袋の名画座で一気に4本揃えて観た記憶がある。当時の名画座はこういう企画が多く、黒澤モノクロ4本立てとか、緋牡丹オールナイトなど、今から思うとかなりハードな鑑賞スタイルを強いられたが、何と言っても「お得」であった。 1本終わるごとに男子トイレが長蛇、途中でパン、もしくはいなり寿司のエネルギー補給を必要とするが、モギリのお姉さんの絶妙な休憩時間差配が粋だった。 梶芽衣子が鮮烈であった記念すべき第1作であるが、伊藤俊也の3本はいずれもアングラ舞台中継を思わせる極まった感情噴出演技(ただし、梶芽衣子だけは例外で、喋らないで目力のみ)と、斬新なカメラアングルで圧倒された。今観ても、やはり斬新である。これは素直に凄いと思う。 特に本作では、さそりの過去を一気に説明する「裏切りシーン」での「床下から目線」のカメラは、今ではほぼ伝説であろう。 また、どんなにリンチを受けても、傷だらけになっても梶芽衣子は「美しい」のだ。 少年タランティーノが震えたのも納得できる。 ラストの黒づくめを、追われる身でどうやってコーディネイトしたのかなどという疑問は愚問である。歌舞伎の大見栄と思えば良いのだ。