レビュー
Till

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6 years ago

4.0


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ミザリー

映画 ・ 1990

平均 3.6

スティーブン・キングの同名小説を原作にしたサイコホラー映画。本作でアカデミー主演女優賞を受賞したキャシー・ベイツの狂気性溢れる演技はトラウマ級。幽霊や怪物などの視覚的な恐怖ではなく、気が狂った女に徐々に追い詰められていくという心理的な恐怖であり、他の映画にはない異質な怖さがある。現在にも語り継がれる一級ホラー映画なのだが、本作の最も怖い所は現実でも起こり得てしまうということ。ジョン・レノンのように熱狂的なファンに殺害される事件もあるし、殺害まで及ばなくてもストーカー被害を受けた有名人なら多数いる。今回のアニーも小説『ミザリー シリーズ』の熱狂的なファンであり、【ミザリーが死ぬ】という納得のいかない結末に激怒し、ポールを監禁・拘束するという設定もリアリティーがあって恐ろしい。さらに本作はその設定を上手く活かし、アニーが帰ってくる前に定位置に戻っておかなくてはならないという緊迫感や、彼女を怒らせてはならないという不安にも駆られ、終始気が休まらない演出もお見事。キャシー・ベイツの怪演は言うまでもなく、ホラー映画として押さえるべきポイントをしっかり押さえており、30年前の作品ながら古臭さを一切感じさせないかなり完成度の高い作品となっている。