レビュー
今はもうB級映画にしか出演しなくなったジョン・キューザックが主演を務める傑作ミステリー映画。 嵐のため一軒のモーテルに一晩閉じ込められることになった11人の男女。そこで彼らは何者かに襲われ、一人また一人と殺されていく。女優の運転手であるエドは刑事のロードらと共に犯人を捜し出そうと奮闘するが、一向に見つけられず、残された者たちは互いに疑心暗鬼に陥ってしまう。一方、時を同じくして、死刑の執行を直前に控えた猟奇殺人犯の再審理が行われようとしていた…。 どんでん返し映画として有名な作品。モーテルで行われる連続殺人と猟奇殺人犯の再審理というこの一見何の関係もないように思える2つの場面が、映画の中盤辺りに「あるきっかけ」で結びつくのだが、これを初見で見抜ける人はまずいないだろう。しかし、このどんでん返しを素晴らしい発想だと賞賛する人もいれば、現実離れしていると逆に興醒めする人もいると思う。自分はもちろん前者なのだが、後者の意見も分からなくはない。ただ、この映画の本当に凄いところは、そのどんでん返しだけじゃ終わらないこと。天地をひっくり返すような方向に展開しつつも、決してミステリーとしての足元を見失うことはなく、最後までぐいぐい引き込まれる。さらには衝撃的な結末まで用意されており、これには鳥肌が立った。しかも、それが観客を驚かせたいだけの後出しのような安易なものではなく、ちゃんと伏線やミスリードなどの細かい仕掛けが施されているのも素晴らしい。これだけの内容を90分という尺にまとめ上げているのも見事。 ラストの結末に納得できなかった人がいるかもしれないが、そういう人はぜひ監督のジェームズ・マンゴールドと脚本のマイケル・クーニーのコメントを見てください。なかなか理にかなったことを言っているので、少しは納得できるかもしれません。
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