レビュー
cocoa

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11 months ago

3.0


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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方

映画 ・ 2024

平均 3.4

原題は「The Apprentice」。 「見習い」とか「徒弟」の意味です。 ちょっと前まで公開していた話題作をもう配信とは。 トランプ自身、観たくないと言っていたらしいが、イランのアリ・アッバシ監督作品なので期待していました。 1980年代。 父親の不動産業で家賃取り立てをしている若きドナルド・トランプ。 破産寸前の父の仕事をしながら気弱なドナルドは会員制クラブで悪徳な有名弁護士ロイ・コーンに出会う。 ロイに気に入られたドナルドは手段を選ばないやり方で実業家として変貌していく…そんなドナルド・トランプの成り上がりを描いたストーリーです。 ドナルドを演じたのがセバスチャン・スタン。 『ラスト・フル・メジャー』のスコット役が大好きだが、今回の役になりきった演技はかなり凄い。 あの独特な話し方や所作、人を小馬鹿にするような態度の後の薄笑いなど、若きドナルドの表情が似すぎていてびっくり。 それ以上に良かったのはロイ・コーン役のジェレミー・ストロング! 当時のニクソンにも近い存在で政府筋の弁護も牛耳るような悪名高き弁護士。 ドナルドに会った時から最後の別れまで一貫として無表情なのに存在感が凄い。 何だかゲイでAIDSで亡くなったロイ・コーンの人生に興味が出てきた。 劇中のロイはパートナーのラッセルには最後まで優しかった印象だったな~。 ロイ・コーンの勝利への三つのルール。 ①攻撃、攻撃、攻撃だ ②非を認めるな、全否定しろ ③決して敗けを認めるな ロイがドナルドに授けた教訓はいまのトランプ政権にそのまま活きていると思う。 そしてトランプの良く言うスローガン。 Make America Great Again! アメリカをまた偉大な国へ…って、いつも思うけどレーガン政権のパクリですよね。 ドナルドが前髪を気にしたり、お腹が出て体型を気にするくだりは彼も普通の人間だと思うけど、頭皮手術やお腹の脂肪吸引手術のシーンは本人は観たくないだろう。 最初の妻イヴァナに指摘されて突然キレる姿も本人らしいのだろうな。 「顔がオレンジみたい」と罵るイヴァナには笑った。 こうしてドナルド・トランプが出来上がり、特に第二次トランプ政権の場当たり的な政策では世界は混乱している。 民主主義の意義や自由貿易さえも脅かし、指摘されると「思いつきで言った」と平然とのたまう。 アメリカの国土の広さ、人種の多用さを考えても、トランプの政策にはリベラル層は反発し、低所得層の支持者はこれから苦しむのだろう。 映画そのものは面白かった。 最後の作家によるインタビューでトランプ大統領の人生の中身の空っぽさが強調されていた感じ。 のしあがって実業家として成功したのに人間としては空っぽな感じ。 だから余計にロイ・コーンの半生に興味が出たのかもしれない。