レビュー
てっぺい

てっぺい

8 months ago

4.0


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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

映画 ・ 2025

平均 4.1

2025年07月19日に見ました。

【敵に泣かされる映画】 原作に息を吹き込み、クオリティでもはや凌駕する良作。圧倒的な映像美と声優陣の熱演にも感化され、敵役にまさかの感情どっぷり移入で涙腺崩壊。もはや“敵が主役”の一本。 ◆トリビア ◉#1カットに2か月の魂 無限城は、3Dで城をまるごと製作した力作。構造設計はCGスタッフが30案以上を試作し、2か月かけて1カットを作り上げる情熱と試行錯誤の連続だったという。 ▷「"それっぽい"ところにいくのは早いんだけど、そこを超えるのが苦しい。その表現を詰めるのに、ずっと(試行錯誤を)水面下でやっています。」 (https://area.autodesk.jp/case/animation/kimetsu-01/) ◉#善逸の服、地獄の三角 作画をするうえで、最も難しいのは善逸だという。キャラの動きや光の変化でも模様の数が合うよう、衣装の三角模様すべてに番号を振って管理。作画監督たちはそれぞれ“自流”の描法を研究し、社内マニュアルを制作したほど。 ▷「(コストの懸念で)省略したり、なくしてしまうと、原作と食い違って違和感が生まれる。だからみんな死ぬ気で描きます。」 (https://area.autodesk.jp/case/animation/kimetsu-01/) ◉#声に刻む炭治郎の歩み 初期と現在とで炭治郎の声を聴き比べれば、その変化を感じ取れるはずだと語る花江夏樹。家族や煉獄さん、仲間たちから託された願いや決意がその根底にあると明かす。 ▷「「積み重ねてきた時間」や「経験」が自然と声に乗るよう意識しています。炭治郎というキャラクターの歩みを、お芝居の中にしっかり刻み込んでいけたら。そんな想いで向き合っています。」 (https://www.crank-in.net/interview/169286/1) ◉#情は捨てた狂気の拳 猗窩座は、強さを求めることに真面目で、極端に振り切れていると語る石田彰。 ▷「猗窩座が見ているものは、強さ至上主義で、情とかそんなものは関係ない。ある種の狂気を秘めているようにも見えるほどに極端なところにいる。普通の人として考えるよりも狂気をはらんだ感じを意識して演じていました」 (https://mantan-web.jp/article/20201023dog00m200083000c.html) ◉#無限城編に流し込む姉の想い 前作にあたる「柱稽古編」で、胡蝶しのぶが妹のカナヲに想いを伝えるシーンに強い思い入れがあると語る早見沙織。 ▷「(無限城編に向けて)その思いを自分の身体のなかにも流していけたらいいなと思いながら演じていました」 (https://www.giga.co.jp/jsp/artist/news_gp.jsp?aid=85102) ◉#無惨は生存本能の鬼 普段の悪役は、何らかの戦うべき理由がある作品が多いが、鬼舞辻無惨は生存本能の為だけに生きていると語る関俊彦。 ▷「最初はとらえどころがなかったんですが、原作の無惨のことを一番よく理解している女性、珠世さんの「あの男は臆病者です」というセリフを読んだ時に、鬼舞辻無惨に入る接点が出来ましたね。」 (https://www.excite.co.jp/news/article/TBSRadio_524634/) ◉#無限城編後、最終決戦が二部作 「無限城編」は3部作で構成される予定。また、その後の「最終決戦編」は原作26話分の分量があり、劇場版とするならば2部作で構成されるとの話もある。 (http://diverse-med2025.com/2025/05/23/movie-demonslayer-trilogy/) ◉#特典戦争が始まる! 入場者特典として、「原作者・吾峠呼世晴イラスト 特製アートスタンド」(A5サイズ)が配布される(全国合計500万名限定)。さらに、「非売品劇場ポスターデザインカード」も全6種類から1つランダムで同封される。 (https://www.crank-in.net/news/169728/1) ◆概要 「無限城編」3部作の第1章。 【原作】 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』 【監督】 外崎春雄(アニメシリーズから続投) 【声の出演】 花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、上田麗奈、岡本信彦、櫻井孝宏、小西克幸、早見沙織、河西健吾、花澤香菜、鈴村健一、関智一、杉田智和 【主題歌】 Aimer「太陽が昇らない世界」 LiSA「残酷な夜に輝け」 【キャラクターデザイン・総作画監督】 松島晃(同上) 【アニメーション】 ufotable(同上) 【公開】2025年7月18日 【上映時間】155分 ◆ストーリー 鬼になってしまった妹・禰󠄀豆子を人間に戻すため、鬼狩りの組織・鬼殺隊に入った竈門炭治郎は、同期の仲間である我妻善逸や嘴平伊之助とともに数々の鬼と戦いながら成長し絆を深めていく。炭治郎たちは鬼殺隊最高位の剣士である「柱」たちと共闘し、無限列車では炎柱・煉獄杏寿郎、遊郭では音柱・宇髄天元、刀鍛冶の里では霞柱・時透無一郎や恋柱・甘露寺蜜璃とともに死闘を繰り広げた。その後、来たる鬼との決戦に備えて、柱による合同強化訓練・柱稽古に挑んでいる最中、鬼殺隊の本部である産屋敷邸に鬼舞辻󠄀無惨が姿を現す。お館様の危機に駆けつけた炭治郎や柱たちは無惨によって謎の空間へと落とされ、鬼の根城である無限城での最終決戦に身を投じていく。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆息 悲鳴嶼が墓地を進む冒頭。この墓地の俯瞰の画の細かさや、風になびく木の葉がCGで美しく描かれ、冒頭からまさに本作の画作りのこだわりが宣言されるよう。続く無限城は、あの大規模な城を3Dで全て製作するという途方もない努力を知ると、なおさらその映像美に息を呑む。まさに見ているこちらも上下が分からなくなる感覚で、生きているようなあの城に飲み込まれるような恐ろしさも感じるほど。胡蝶しのぶが童磨に飲み込まれる映像表現も、原作よりアニメがよりおぞましい。かたや声優陣も、どのキャラクターも違和感なし(噂になっていた宮野真守の童磨も◎)。特に猗窩座と邂逅した際の炭治郎の台詞。張り裂けるように叫んだ「猗窩座!」は、「無限列車編」での煉獄さんへの想いが重く乗った一言でシビレた。どの要素も、原作で読み取れなかった行間を埋めつつ、作品を大いに発展させて上級に昇華させたと言っていい。作品に息を吹き込むとはこういう事かと唸らされた。 ◆猗窩座 本作において一番の敵であり、前作映画の仇でもある猗窩座。輝く破壊殺・羅針(もアニメならでは)の上で、素流の構えに「宴の時間だ」がメチャクチャカッコいい。アザが生まれた義勇にすら適応し、炭治郎の“透き通る世界”で斬首されても首を繋げようとするおぞましさ。首が消えても再生していく圧倒的な生命力。そしてついに、恋雪の幻影が現れ、猗窩座の回想に入っていく。ここでもやはり、原作に息を吹き込む芸術的な演出。恋雪との背景に光る花火が美しければ、隣の道場を皆殺しにする暗黒の一幕も。(慶蔵に嫌がらせをする集団に、毒を入れた原作こぼれ話の跡取り息子がいたのは見逃さなかった)大切な人を守りたいが故に力を求め、鬼と化した猗窩座。約束を守れなかったその懺悔に、“おかえり”を原作の恋雪だけでなく、慶蔵や父親からも投げかけられる展開にはもう涙腺崩壊。まさか敵役に泣かされるとは。本作の主役はもはや猗窩座だった。 ◆ラスト 猗窩座の消滅を見届け、炭治郎と義勇が気絶するラスト。童磨がその死を感じ取るシーンは、個人的には前項の猗窩座のために、猗窩座が人間の女を一切喰わなかったくだりを飛ばさないでほしかった。エンドロールに“エンディング監督”という肩書きが。本作のラストを外崎監督に代わって集中的に作り込み、一つの作品として成立させる役割か。なるほどきちんと各柱の姿が描かれ、改めて無惨の圧倒的な存在感も描かれる(無惨までの途方もない道のりもおそらく3Dでの作り込みか)。炭治郎と義勇には、カラスが“死ぬなよ”と語りかけるシーンも。最後の最後まで、原作への息の吹き込みが徹底されていた本作。もはや原作を凌駕した作品だと言っても過言じゃない。スクリーンが明転したあと、劇場がどよめいた作品は久しぶりだった。次回作にも大いに期待したい。 ◆関連作品 ◉シリーズ一式 ・アニメ「立志編」('19) ・映画「無限列車編」('20) ・アニメ「遊郭編」('21〜'22) ・アニメ「刀鍛冶の里編」('23) ・アニメ「柱稽古編」('24) ▷プライムビデオ配信中 ◆評価(2025年7月18日) Filmarks:★×4.1 Yahoo!検索:★×4.1 映画.com:★×5.0 ※個人評価:★×4.0 #鬼滅の刃 #鬼滅の刃無限城編 #無限城編 #無限城三部作 #アニメ制作の裏側 #敵に泣かされる映画 #映画トリビア #毎週映画の裏側 引用元 https://eiga.com/movie/102014/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/劇場版_鬼滅の刃_無限城編