レビュー
ばお

ばお

9 years ago

4.5


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ブルーに生まれついて

映画 ・ 2015

平均 3.4

♫My Funny Valentine 「Chet Baker Sings」は私の高校時代の愛聴アルバムの一枚でした。ジャズの名盤です。 チェット・ベイカーはトランペットも歌も上手いけれども特別新しいわけではなく、技術的に優れているわけでもない。そんな彼の魅力は不安定さにあると思います。フッと消えてしましそうな歌声や生き方がいいのです。本作は彼の良さをよく描けています。 チェット・ベイカーは甘いマスクと哀愁漂う歌声と演奏で、ジャズ奏者で黒人が幅を利かせていた時代に白人でありながらその才能でマイルスデイヴィスを凌ぐほどの人気を誇り時代の寵児となったが、1950年台後半からドラッグに溺れこれまでのようには演奏をすることができなくなる。 本作は彼がドラッグに溺れどん底に落ち、そこから這い上がろうともがく姿にフォーカスをあてています。伝記映画にありがちな少年から大人までを描き一つ一つのエピソードが薄っぺらくダレることがなかったので伝記映画としては最高の出来だと思います。 しかも主役のイーサン・ホークがピッタリでまさにチェット・ベイカー本人のようでありました。トランペットの演奏や歌はもちろん、どこか影があり悲愴感たっぷりな表情がとにかく素晴らしい。 セッションでジャズってかっこいい!と思った方は、この映画も観てぜひジャズに浸かってほしい。 ジャズを知っている人も知らない人も楽しめる作品だと思います。前知識があればより一層いいです。