レビュー
鮫により手を無くしてもなお、一流サーファーとして活躍した実在の人物、べサニーさんを主人公にしたドラマ。スタッフロールで彼女が実際に出てきますが、いつもニコニコ前向きで、どんな困難があっても決して折れない心を持った、とても素敵な女性に見えました。実際、相当な信念がないとこんなことは出来ないでしょう。尊敬します。 ただ、それをそのまんま映画にしても、いつも面白くなるかは別問題です。ましてや僕のような陰湿なひねくれた奴は、何でもかんでも理想的に描きすぎじゃないのか?と思ってしまうのです。この映画には全くただの一人も嫌な奴が出てこないんですね。人格的に優れた父と母、家族の不幸を誰よりも嘆き悲しむ兄弟、友人のために悪夢を見る親友、自分を対等に扱ってくれる良きライバル。だからベサニーがどんなに辛くても、周りの環境が良すぎてその挫折感がちっとも伝わってこないんです。 そしてこの映画の最大のポイントは強すぎる宗教色です。ベサニーが最終的に立ち直るポイントが、キリスト団体のボランティア活動なのですが…これはやり過ぎで偽善に見えましたね。こういう困難を努力で乗り越えられるのは、人の意思の強さが成せる技だと思うのですが、それを「神様を信じていたからだ」って言っちゃうのは、根本的に映画としてどうなんだろうと思います。
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