
dreamer

秘密と嘘
平均 3.4
このマイク・リー監督の映画「秘密と嘘」は、家族の再生を描く人間ドラマで、1996年度のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールと、主演のブレンダ・ブレッシンが主演女優賞を受賞した作品です。 久しく観たいと思いながらも、なかなか観れずにいたのですが、今回ようやくDVDで観ることができました。 この映画は、家族の崩壊が言われている時代、核家族化が進行する中で、家庭が求心力を失っていく現代に、逆に家族の発見を描いていて、古くて新しい普遍的なテーマを持った作品であると思う。 ある日、白人の母親が白人の娘の前に黒人女性を連れてくる。 「この人はお前の姉だよ、父親は違うけれど」と言って-------。 白人と黒人が兄弟姉妹とは、日本ではまるで想像できません。 現在のイギリス社会で、人口の約13%をアフリカ系の人々で占めているという、イギリス社会を背景に、ハートウォーミングな人情劇を、まるで日本のホームドラマを観るような気分で観てしまいます。 白人の母親と黒人の娘の再会シーンは、カメラが固定で動かず、この二人を正面からじっと写し続けるんですね。 映画的なカメラワークから言えば、全くの無技巧なんですが、そくそくと二人の微妙な心理の綾が感じとれて、感動的ですらあるんですね。 しかも、ラストがまた素晴らしい。 肌の色の違う姉妹を前にして、母親が爽やかに「人生って素晴らしい」と言い切るんですね。 生きることに、つらい日々を送り、心に傷をいっぱい持ち、だからこそ「秘密と嘘」でごまかして生きてきたが、「秘密と嘘」から解放され、真実の気持ちでつながった時、真に家族が家族であることができたのだと思う。 家族は人間が幸福を築く砦なのだと、改めてこの映画を観て感じましたね。