
ジュネ

フォードvsフェラーリ
平均 3.9
2020年8本目は、スポーツレーシング最強王者のフェラーリに挑む二人の男を描きます、『フォードVSフェラーリ』。 ------------------------------------------------------------ まだ2020年は始まったばかりで、残り11カ月あるのですが…私、「この映画を超える興奮が今年あるのだろうか?」と少々自信がありません。ジェームズ・マンゴールド監督がCGを使わず、全て実際に車を走らせて撮影すると決心しただけあって、とにかくレースシーンの迫力が尋常ではない。一歩間違えば死んで当然の戦いを繰り広げる命知らずのレーサー達を見ていると、こちらも自然と体に力が入ります。視線がスクリーンに釘付けとなり、いつの間にか手をグッと固く握っていました。 ------------------------------------------------------------ 繊細で技巧派といった趣のシェルビーと奔放で天才肌なマイルズ、正反対の2人がやがて心を1つにし、真の友情を築いていく過程もベタなんですけど最高です。思えば本作はストーリーの面でも特別難しいことをやっているわけではなくて、少年マンガ的な終始「お決まり」の流れではあるんです。ただ、1つ1つのシーンが実に印象的に彩られていて、記憶に残る名場面の連続なんですよね。2時間半のランタイムを共に駆け抜けた後、それらがまるで美しかった思い出のごとく鮮明に浮かび上がってきまして、まぁ泣ける泣ける。 ------------------------------------------------------------ 悪役だけれどもレーサーに対し敬意を忘れないエンツォ・フェラーリ、親の七光りと嘲笑されてきた故か冷酷に映るフォード2世、会社の利益にしか興味がない副社長レオ・ビープなど、脇役も非常に個性的で忘れ難いです。特に、偏屈で短気なマイルズを一心にサポートする奥さん、父親のことを心から尊敬する息子の存在が健気で美しい。パーツ1つ欠けても完走することのできないフォード車同様、本作にも不要なキャストはどこにも存在しませんでした。