レビュー
2020年50本目は、実際に医師としてのキャリアを持ちながら次々と医療ミステリを発表する知念実希人氏の原作を映画化『仮面病棟』。 ------------------------------------------------------------ 脚本にも原作者が参加しているため恐らくそこまでオリジナルから遠ざかってはいないでしょうし、狭い病院内で蠢く陰謀を軸としつつ、緊迫したサスペンスに仕上がっているとは思います。後は主役の永野芽郁の可愛さが爆発に尽きる一作で、彼女を目的に見に行くと言うのであれば損はさせない作りになっています。 ------------------------------------------------------------ ただ本作の場合、ミステリーとしてはあまりにも作りが分かりやすく、「犯人が誰なのか」と「病院は何を隠しているのか」という物語を支える2つの謎が、下手をすると開始30分以内で容易に想像できてしまいます。特に酷いのは前者で、登場シーンで違和感を覚えることになります。それ以外にもキャラクターに喋らせるセリフがわざとらしくて不自然であったり、ヒントの出し方がモロに「答えです!」と言ってるようなもんだったり…。 ------------------------------------------------------------ 木村ひさし監督はテレビドラマで言えば『金田一少年の事件簿』『99.9』、映画でも前作は『屍人荘の殺人』とミステリー色濃いめの作品を多数手掛けているはずなんですが、見せ方があまり上手いとは思えないです。『屍人荘の殺人』の場合はたとえネタが割れても、登場人物のコミカルな掛け合いで何とか終盤まで作風を維持できていたのですが、今回はその他の要素や魅力がまるでありません。映画館で見るには少々手が伸びない一作です。
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