
Till
2.5
消えない罪
映画 ・ 2021
平均 3.6
サンドラ・ブロックが主演兼・製作を務めたサスペンス・ドラマ。 ルース・スレイターは殺人罪で20年服役し、ついに出所した。しかし、元犯罪者である彼女への社会の眼差しは冷たく、故郷に戻っても厳しい批判に遭う。行き場なくしたルースは、やむを得ず置き去りにして離れ離れになってしまった妹を捜索するが…。 前半は「元受刑者に対する世間の風当たりの強さ」を問題提起した社会派ドラマかなと思っていたが、後半から方向性が変わっていき、終わってみれば何とまぁ姉妹の美しい絆の物語だった(かなり年の離れた姉妹なのでどちらかと言えば親子に近いが)。せっかく前半で構築した社会派風味の部分があまり意味を成さなくなり、その辺のメッセージが若干ブレてしまった嫌いはあるが、これはこれでいいかなとも思う。 ただ、少し雑な展開や演出などのノイズが気になってしまい、自分は十分に楽しめなかった。例えば、ルースと職場で知り合うブレイクが彼女の前科を知った際にとる、それまでのキャラクター造形にそぐわない軽率な行動とか。特に酷いのが殺人事件の被害者の息子兄弟で、コイツらが両方ともアホすぎる。初めはルースへの復讐に興味がなかった弟が急に復讐を決心するきっかけがあまりにも浅はかだし、逆にあれだけ復讐に燃えていた兄が終盤でとる「ある行動」もホントにしょーもないし、この辺がかなり雑。弟が犯す「勘違い」(これもアホ)もあまり物語的な必然性や意義が感じられなかったし、全体的に強引な展開が多かった。ラストでとあるシーンが過去のシーンとリンクする演出も、ただ単に映像をリンクさせてるだけで文脈的には全くリンクしておらず、ここも非常に安直。批評家から大方酷評されているのも何となく頷ける作品でした。 ただ、ちょっと本作の視聴前に注意して頂きたいことが一つ。ご存じの方も多いと思うのだが、Yahoo!映画という映画のレビューサイトがあって、そこで本作のユーザーレビューなども載っているのだが、視聴前に絶対にそこを見ないでください。本作の核となる重要な部分を、ネタバレ表示なしで、しかもたったの1文で“意図的に”ネタバレをしているクソ野郎が一人います。私もまんまとやられました。もしこの情報を事前に知らなかったら、また見方は変わっていたかもしれません。私のようにならぬよう、十分にお気をつけください。ちなみにそいつは本作だけでなく色んな映画を(ネタバレ表示せずに)ネタバレしているクズ中のクズでした。