レビュー
ヒロインのゲイル・ラッセルを執拗に見つめるジョン・ウェインの【眼差し】が強烈な印象を残す。肉体は逞しいが、不器用な男の秘めた恋。ふたりは1947年にウェインが製作・主演した西部劇「拳銃無宿」で出会った。その翌年、ウェインがラッセルに乞うて再び出て貰ったのが「怒涛の果て」である。ウェインはバトジャックという独立プロダクションを立ち上げるが、それは本作に登場する船舶会社の名称に由来する。後にウェインは「『怒涛の果て』はロマンティックな映画だった」と回顧している。そして癌に冒された晩年、彼は自室で繰り返しこの映画を観ていたという。一方、ラッセルは49年に役者のガイ・マディソンと結婚、しかしアルコール依存性を克服出来ず、50年にはパラマウントから契約を打ち切られた。そして54年に離婚。61年に一人暮らししていたアパートで遺体となって発見された。享年36歳だった。
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