レビュー
ひとと社会が吐き出したヘドロは、洗ってもこすっても落ちることがなく、いつまでも身体からその悪臭がにおっている。 斜めに構えていないと生きてゆけないみたいに曲がってゆく首。 諸悪の根源を見つけずにいくら捏ねまわしてみたところで、違和感と痛みはますばかり。 家のなかも世界もめちゃくちゃ。弱者は搾取され、なすすべもなくただ雨が上がるのを待つだけ。 どんなに死にたみが強い夜でも、おなかはきちんと空くし性欲だって目覚めてしまう皮肉とともに、今日も夜が終わる。 生きづらいのは夢や希望がきちんと存在しているから。それが自分のものでも家族から押しつけられたものであっても。 だからそれはそのカタチを変えてでもいつか、晴れた雲の隙間から射すあたたかい光のように、きっとあなたをつつむでしょう。 凪ぎの諦念。新たな希望。あるいはこの世界からの逃亡。
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