
Schindler's Memo
5 years ago
4.0

半世界
映画 ・ 2019
平均 3.2
つまり、「ディア・ハンター」なのだと思った。 3人は、それぞれキャラが小ぶりで通俗的だが、「地元」、もしくは「故郷」への立ち位置が違う。 一人は、父と息子という難解な関係(三代に渡る)を頑固に引きずり、地元で「結構大変な」生き方をする男、一人は、田舎におけるコミュニティに同化し、ヘラヘラ生きているように見えるが、結局は「諦めている」男、そこに、「傷ついた戦士」が帰ってくる。 それぞれの人生「世界」は、未だ「半分」過ぎたところなのだが、これからの半分が、それぞれ光が差しているようには見えない。 アメリカの田舎町から、ベトナム戦争という、マイケル・チミノのあの壮大な作品と、スケールは天地の差だが、同じ匂いを感じる。つまり、後の半分の人生をどう生きるか、見出せないでおり、そのうち一人はその半分すら無くなる。 おそらく青春時代にあの映画を観た監督が、いつものあの「がむしゃら感」をあえて封印して、淡々と描いた「青春後日譚」だと思う。