レビュー
Margaret

Margaret

6 years ago

5.0


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ドクトル・ジバゴ

映画 ・ 1965

平均 3.4

ノーベル文学賞を当時の社会的背景から著者が辞退した作品「ドクトルジバゴ」を「戦場にかける橋」や「アラビアのロレンス」などの監督デビット・リーンが映画化した作品。 ロシア帝国時代から第一次世界大戦、ロシア革命ソビエト連邦へと激動の時代を描いた作品である。社会が変化する中で犠牲になる者、信念を貫く者、賢く生き残る者、耐え忍ぶ者。沢山の人々の人生が交錯し今があるのだなと思った。特に主人公ジバゴとララの出会いは時代が生んだ奇跡とも悲劇とも言える。 平和な時には決して出会うことができない2人。第一次世界大戦とロシア革命の最も厳しい瞬間を共有し、誰よりも強い情をお互いに抱いた。互いに互いがいたからこそ長く厳しい状況下を耐えることが出来たとも言える。 ロシア帝国にもソ連にも、政権が変わろうと社会状況が変わろうと、そこに住む人が突然変化するわけではない。多くの人間は変化に迎合する間もなく流されるようにただ精一杯生きているんだなと改めて思った。 バラライカ ロシアの伝統楽器であるバラライカ。作中ではバラライカが様々なシーンで状況を表す象徴的なアイテムとなっている。バラライカに対する扱いが、ロシアの文化に対する価値観の変遷を表しているように感じた。 最後に、今までロシアの歴史を手短に知った気になってたけれど、情報の羅列や説明では理解しきれない部分があるのだなと感じた。 誰もが認めるハッピーな作品では無い。古くて長くて現代のメジャーでは無い。けれど、心の底に感情をひた隠しにしながら耐え忍ぶ微笑みで生きるという「強さ」を知った作品でした。