
cocoa

リード・マイ・リップス
平均 3.4
かなり前に観たけど再鑑賞。 フランスのちょっと歪んだ恋愛を描いたノアールもの。 「君と歩く世界」や「ゴールデン・リバー」などのジャック・オーディアール監督の2001年製作の作品。 もちろんヴァンサン・カッセルの若い時も見ものだったけど、今回は特にエマニュエル・ドゥヴォスの演技に釘付けになりました。 主人公は土地開発の会社で秘書として働く35歳のカルラ(エマニュエル・ドゥヴォス)。 彼女は難聴で補聴器を使いながら働き、周囲の会話を聞きたくない時ははずす。 しかし「読唇術」で唇の動きで内容が分かるのです。 決して美人ではなく社内でも蔑まされているカルラ。 仕事が多すぎて助手を雇う時の条件がなかなか厳しい。 「手がきれいな若い男性」希望って…。 そこでやってきたのが刑務所を出たばかりのポール(ヴァンサン・カッセル)。 粗野で勤務態度がよろしくないポールだがカルラはなぜか執着し、部屋や車を用意する。 それだけカルラの今までの孤独や疎外感が強かったと言うことかな。 難聴で孤独に生きるカルラを弱くて善人として描かなかったのがとても良い。 撮影監督の手腕なのか、カルラの表情を画面にはみ出すように映し、男性に縁のなかった女性の揺らぎや欲望が感じられる。 ポールを失わないように犯罪の手助けまでするカルラ。 そこで「読唇術」が役に立つのです。 事務仕事はほとんど出来なかったポールがクラブのカウンターでの仕事はとても生き生きしている。 今までは苦手で行けなかったクラブを訪れるカルラ。 ポールの雇い主でもあるギャングのボス役はオリヴェエ・グルメ。 瀕死の怪我をしたポールを救い、お金まで奪ったカルラの存在はどれだけすごいのか。 血だらけのポールのシャツを裸にまとい鏡に映すカルラの秘めた欲望。 チンピラ風なヴァンサン・カッセルも良いがエマニュエル・ドゥヴォスの熱演に改めて驚いた作品でした。 結局、男も大金も手に入れたカルラの勝利に感服です。