
uboshito

その怪物
平均 3.1
あらすじだけ読むと、キム・ゴウンが地の果てまで妹の復讐のために「怪物」を追いかけ、追い詰めるという話なのかな、と思ってしまったのだけど、実際には知的障害?の設定のため、それは「できない」という仕様になっている。 タクシーにさえ乗れない。人とのコミュニケーションもできない。すぐ癇癪を起こす。犯人探しなど到底無理。それでも、知的障害を持っていても、その人が妹のために復讐を果たす様を見届ける、というのがおそらく(納得はできないが)この映画の主題なのだろうと思えた。 事実、映画内でもボクスンが犯人にやったのはトドメを刺したことくらいで、犯人が完全体だったら返り討ちにあっていたはずだ。 だから、これは復讐ものとしてはスッキリはしない。好意的に見れば、「(知的障害があるが故に周囲から相手にしてもらえず)孤立無縁でも戦う」というテーマなのかな、とも一瞬思ったけど、それにしては本作のキム・ゴウンはかなり、キツい…とにかくずっと、怒っているか喚いているか泣いているかで…これでは誰も手を差し伸べる気にはなれない。 かといって知的障害のある人でも意思を持てばなんでもできる、って話でもない。結果、シリアスなのかコメディなのかアクションなのか、社会派なのか家族愛の話かサイコパスの話か、はたまた障害者差別や男尊女卑の話か(男性が女性に暴力を振るう、というシーンがとても多い)。最後までジャンルはわからない。「観客の、感情の置き場(感情移入する先)」がない、とても珍妙な映画、となった。 なんだろうか…うまく表現できないけど、時代劇のテイストなのよね。もちろん現代劇なんだけど、あくまでテイストとして。妹を殺されてその復讐のために犯人を探し回るというのもそうだし、音楽のダサさとか、占いのおばあさんとか、リアカーとかw にも関わらず、最後まで普通に観れてしまうから、韓国映画って恐ろしい…