
星ゆたか
陪審員2番
平均 3.8
2026.2.14 94歳(今年5.31で96歳)のクリント・イーストウッドが監督し。 2024年12月にW·Bワーナーブラザースの事業方針で[U-NEXT]独占配信で(日本でも)で公開。 クリント・イーストウッド作品としては「愛のそよかぜ」(73)以来51年ぶりの“劇場”公開されなかった作品との事です。 内容は、一般市民から偶々、陪審員(ある死亡事件の裁判審議の)に選らばれた主人公が。 『もしかしたらその事件の真犯人が、被害者の女性の恋人の容疑者でなく。自分かも知れないと?!。』 『“有罪か無罪”かの決断に迫られる、道徳的·倫理的ジレンマ』を描いたスリリングな物語だ。 出演は主人公のジャスティンにニコラス·ボルト(89年生まれで19歳時出演「シングルマン」から印象の)。 対する女性検察官フエイス役には、近い所の(2025.12.6)鑑賞作品では。「ナイトメア·アリー」(21)出演のトニー·コレット(72年~)。 ジャスティンの妻·妊婦役にソニイ·ドウイッチ(94年~)。 この人はあの「バックトウザフューチャー」の母役のリー·トンプソンの娘だそうだ。 また陪審員役の1人には、父親がドナルド·サザーランドのキーファー·サザーランド(66年~)もいた。 陪審員役では他に「セッション」(14)で数々の助演賞受賞のJ·K·シモンズ。 日本人女優の福山智可子さんも。 主人公は以前アルコール依存性で交通事故を起こした事があり。 その事件の夜も容疑者と同じ酒場に出くわしていた。 その晩は雨あしの強い帰路で。〔鹿衝突注意!〕看板の道路で、何かに衝突し、雨降る中、車から降り、真っ暗闇の中確認したが。車の左側の下を破損していたので。後日修理していた。 という経緯があった。 (もしかしたらあの時ぶつかったのは鹿でなく人だったのか?)。 陪審員に見せられた被害者の実写真に。 思わず主人公は吐き気を催し、トイレで吐いた。 その異変に素早く気ずいたのが。 キーファー·サザーランドの演じる人物であり。 また同様、この事件は恋人の殺人事件でなく。 車によるひき逃げではないか?と推測する元刑事(経歴を正直に言えば陪審員には成れない)のJ·K·シモンズの人物だ。 この映画は、主人公の心底にある“正義·道徳·倫理観”を問われる内容なので。 同じ陪審員という立場にある、これら2人等の人物の主人公への“指摘”が。 具体的に裁判の動向(有罪か無罪か)に、直接影響するまでにはならないが。 少なくとも主人公の心は多いに動揺·不安感を抱かせる。 当初主人公は知人の弁護士に、事件の経緯と、自分が名乗りあげても、情状酌量で軽い罪で済まぬか?と相談したり。 また陪審員の最初の審議に。 何も事件を振り替えず、討論もせず。 警察の判断の『殺人容疑で有罪』判決を。 陪審員全員の総意とする事には、『どうか?』と手を上げる1人になる。 ここで、思い出すのはやはり。 あの陪審員制度に、疑問を投げ掛けた名作「十二人の怒れる男」(57年シドニー·ルメット監督)だ。 脚本のジョナサン·エイブラズも、やはり“そこ”は意識したのか。 陪審員の1人1人の性格·言論に。 あの名作に登場した人物との類似性を観られる。 陪審員の審議を早く終わらせて帰宅したがる女性とか。 容疑者を自己の経験から偏見を持っていて。悪者と判断したがる男性。 また裁判の証言者に。 夜の雨の街灯も無い中、離れた場所で。 犯人は容疑者と断定する目撃者の発言とか。 孤独な老人が裁判で発言する事で得られる“注目”の為に。 『犯人は容疑者に間違いない、車から降りた人物こそ、あの法廷の“アイツ”だ』と断言するし、後に検察官が自宅を訪ねて目撃証言を確認しても、自信持っている答える。 この老人の発言も「十二人の怒れる男」のオマージュかな?!。 容疑者は酒に酔うと暴力的になるから“犯人”に間違いないと決めつけたがる思考といった所に。 あの名作の影響力の大きさを観る。 結局、主人公は妻の出産の不安を増長させる事なく。 他の陪審員の意見に同調して(あえてその場面は省略)。 犯人の有罪判決を。 ただ裁判後、被害者の墓前に花を手向けて。 自己の“正義の蓋を閉ざし”行為の後ろめたさを償ったりする。 映画は、『裁判有罪』検察官の勝利で幕を閉じ。 彼女は最初の裁判の目的の。 次期地方検事選挙アピールを好印象で終わらせた訳だが。 あの陪審員で、元刑事(それが裁判所に判明され陪審員から下ろされた)が残した、事件後車の修理依頼のリストを。 一軒一軒確認して。 (『もしかしたらあの“陪審員2番”がひき逃げした事件だったのかも?』)と。 想い帰し。 主人公の自宅を訪ねる所で幕を。 果たして、この後…? 観客に委ねて。 また、更にこの映画は最近の例えば、SNS情報による。 不正を犯した人が政治選挙に当選したりする事例に見られる。 凡庸な人間が、偏った情報に惑わされて。 本当の正義を見逃す危険性をも示唆している。