レビュー
2019年219本目は、是枝監督が初の海外進出を果たした記念碑的な一作、『真実』。 -------------------------------------------------- 主演をつとめるカトリーヌ・ドヌーヴはフランスを代表、いや、世界を代表する女優の一人でして、日本で言えば吉永小百合の愛らしさ・五月みどりのエロス・樹木希林の存在感を掛け合わせたハイブリッドモンスター。そんな彼女と仕事ができるなんて、是枝監督も凄いところまで行ったもんだとしみじみ致します。 -------------------------------------------------- 本作はまさにカトリーヌ・ドヌーヴの魅力を余すことなく引き出したドラマとなっています。遅刻や彼女のメイク待ちで時間が押すのは当たり前、ドヌーヴのために他の役者が何テイクも演技をさせられ、できなければ達者な言い訳でひょいとかわし、最後は毒舌でズバッと斬る!主人公のファビエンヌは完全にドヌーヴ本人生き写しのキャラクターです。 -------------------------------------------------- そう考えると今回も、役柄と役を演じる俳優との境目が徐々に薄くなっていく奇妙な「ドキュメント感」は相変わらずで、どんな時でも常に一定の「是枝イズム」が発揮される良い証明になったんじゃないでしょうか。現代に警鐘を鳴らすシリアスさや毒気が薄い「白是枝」なのが若干残念ですが、その点はまた次に期待します。
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