レビュー
レビュー
star3.5
【心が痛むミュージカル】 両親からも愛されず、無数の依存症を発症するエルトン・ジョンの超赤裸々告白映画。喜楽を増幅するミュージカル要素も、心を痛める逆の演出に。その分、迎えるラストはもう感動。 ◆概要 グラミー賞を5度受賞、『ライオン・キング』の主題歌「愛を感じて」でアカデミー賞歌曲賞を受賞した、エルトン・ジョンの自伝的映画。使用楽曲は「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」などヒット曲多数。監督は「ボヘミアン・ラプソディ」の最終監督を務めたデクスター・フレッチャー。エルトン自身も製作総指揮を手がけた。出演の「キングスマン」シリーズ、タロン・エガートンは、吹き替えなしで歌唱シーンもこなした。 ◆ストーリー 音楽の才能に恵まれていた少年レジナルド(レジー)・ドワイトは、やがてロックに傾倒、「エルトン・ジョン」という名前で音楽活動を始める。後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……。 ◆感想◆ ミュージカル映画ながら、ほぼドキュメンタリー映画を見ているような、圧倒的なエルトン自身の人物像の掘り下げっぷり。幼少期から青年期、現在に至るまで、無数の〇〇依存症をそこまで披露するかと思うほどの赤裸々映画。 ◆孤独 映画で終始描かれるエルトンの圧倒的な孤独。父からのハグもない、母から“あなたは孤独な人生を選んだ”とすら告げられてしまう、親から絶対的に与えられるはずの愛を与えられていない人生は、正直想像を絶する。そんな反動から、無数の依存症を発症、告白する冒頭に、ドラッグと酒に溺れ、周囲に当たり散らし瀕死にすら陥る怒涛の描写ラッシュの映画後半。もう見ていて心が痛む感覚だった。 フレディー・マーキュリーにジミー・ヘンドリクス、カート・コバーン、ホイットニー・ヒューストン、、命を落とすヒットミュージシャンは数えだしたらキリがない。やはり命の危機に陥ったエルトンが、大成功を収める事で逆に生まれる孤独を、この映画を通して如実に物語っていたと思う。実際、監督のデクスター・フレッチャーは、映画を共作したロバート・デニーロが抱える孤独について語っている(https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/a28780604/cfea-buzz-19-0823/)。 ◆名曲 「Your Song」「Rocket Man」「Candle in the Wind」「Goodbye Yellow Brick Road」、予想していたものの、もう名曲のオンパレード。エルトンのコアファンにもおそらく満足出来る満載感だと思う。特にやっぱり「Your Song」が生まれるシーンは鳥肌モノ。事実か演出かは置いといて、歌詞を見て一発であのメロディが生まれていく様は、エルトンの天賦の才が目の当たり、ホントにワクワク感満載なシーンだった。 ◆演出 全体にこれでもかと散りばめられたミュージカルシーンは、個人的には諸刃の剣な印象。楽しくなれる効果的なものもあれば、ちょっと冷める面も。ただ、トラバドールでエルトンと観客が宙に浮く演出はピカイチ。エルトンがアメリカで大成功する起源となった、ファーストライブの爆発力が見事に表現されていたと思う。 ◆演技 単純に、ホモセクシャルじゃない人間がホモセクシャルを演じるのは苦痛だと思う。タロン・エガートンのまさに体当たりな演技にはもう拍手。黒人コーラスからのキスに恍惚の表情を浮かべる様や、濃厚キスシーン、ジョンに対してのうっとりした眼差しまで、見事の一言。 ◆字幕 今作で個人的に気になったのが字幕。エルトンとバーニーが初対面の場で一緒に歌いだすシーンや、エンドでエルトンが昔風のミュージック・ビデオ(?)に入り込むシーンには歌詞の字幕がついていなかった。字幕担当にとって、字幕をつけない判断ってとても勇気がいる事だと思うけど、映像と雰囲気を感じる事に徹してくれ、と告げられているような気がして笑、逆に集中できた。歌詞の意味までは聞き取れなかったけど笑。 ◆ 最近で言う「ボヘミアン・ラプソディ」、「アリー/スター誕生」に続く音楽系映画。ディズニーの実写化ブームじゃないけれど、エルトンジョンに続いてどんどんミュージシャンの伝記映画が作られそうな予感笑。是非期待したい! #ロケットマン #映画 #映画鑑賞 #映画ノート #映画好き #映画大好き #映画記録 #映画レビュー #映画メモ #洋画 #シネマ #映画紹介 #映画部 #おすすめ映画 #映画鑑賞記録
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