レビュー
【ガガの美声と美演に酔う映画】 レディー・ガガの圧倒的な歌唱力と文句なしの演技力。大観衆ステージ初立ちシーンの突出したワクワク感が見もの、2人の思いの交錯が心にずっしり響く重厚なラブロマンス。 ◆概要 ゴールデングローブ賞主要5部門ノミネート作品。出演はレディー・ガガ、「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーら。1937年の同名映画の4度目のリメイクであり、もともとクリント・イーストウッドが映画化する予定が、「アメリカン・スナイパー」でのイーストウッドとの共演がきっかけで、クーパーが本作の監督を務めることに。使用曲の一部はレディー・ガガ本人の書き下ろし。 ◆ストーリー 音楽業界でスターになることを夢見ながらも、小さなバーで細々と歌いながら生活していたアリー。そんな彼女はある日、世界的ロックスターに見いだされ、ショービジネスの世界に飛び込んでいくが……。 ◆感想 レディー・ガガの圧倒的な歌唱力。重量級の重みの歌詞と曲が2人の思いにリンクしながら紡がれる愛の形。どの映画よりもストレートに心に響く音楽映画だと思う。 映画のタイトルとしては1人の女性の成功譚を想像するも、見終わってみると中身はこれ以上ない重厚なラブロマンス。音楽を通じて心を通わせる2人が映画を通して主で、他に余計な登場人物もおらず見入るし、136分の上映時間もホントにあっという間だった。 誰もがまず注目するだろうレディー・ガガの演技力は申し分なし。ステージに立つ事を躊躇する様子や、歌い始めて次第に気持ちが解放されていく様は絶妙。前述の圧倒的な歌唱力も手伝い、まさに彼女は適役だったし、不必要に隠さない露出っぷりも好感あり。 ブラッドリー・クーパーの主演・初監督ぶりにも注目。アリーへの懺悔の泣きの演技もグッと心に刺さったし、幾度も挟む聞き直しの仕草も、不自由な片耳の役作りの徹底ぶり。少し減らしてもいいくらい挟むそのちょっとした描写は、精神の不安定な役を演じる上での、主演でかつ監督である彼の1つのこだわりの表れだったように思う。 ◆以下少しネタバレ◆ 演出面でも、兄ボビーとの復縁に明確なシーンを作らなかったり、自害するシーンを閉まるシャッターまでで留めていたり、エンドロールへの繋ぎ方も含めて、見る側の想像力を掻き立てる、連想させる工夫が各所に施されていたと思う。 突然の出会いからジャックの栄枯盛衰、意外な結末まで、さすがリメイク4回目のストーリーの面白さ。アリーの作曲能力しかり、ジャックが一聴しただけで曲をステージ用にアレンジしアリーを迎えるシーンは、天性の音楽の才能がビリビリ伝わる、鳥肌もののワクワク感、この映画のピカイチだったと思う。 自分史上初めて鑑賞前にサントラをDLした映画で、プロモーションに屈したのはシャクだけど笑、なんと言っても曲がカッコいい!ラストの“I'll never love again”や、ステージで観客や自分達に向けて歌う“Always Remember Us This Way”、もちろん“shallow”も含めて、各シーンで曲の歌詞が2人の気持ちに絶妙にリンクしていたことも、映画の豊かな表現だったと思う。 とにかく主役は2人。音楽の魅力満載で見終わると心にずっしり何かが残る、そんな映画でした。
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