レビュー
レビュー
star4.0
この映画は、人間を扱ったドラマ、もしくはミステリーだと思って観てしまうと普通以下の映画となる。 この映画は、本質的には「妖怪映画」なのだと思う。 始めから最後まで、出てくる人間全員がある意味で異形である。 火傷を負ったワシコウスカが、文字通り異形であるのだが、次々と現れる人間の精神こそがまさに異形である。 中でもジュリアン・ムーアの「妖怪、鬼面妖女、鬼婆」ぶりには脱帽平服。この妖怪とまともに付き合えるのは、壊れたエセ・セラピストのジョン・キューザックくらいのものだろう。これら妖怪は、いろいろ曲折の末、それぞれ「最も恐れている」手段で「退治」される。 クローネンバーグの異形傾倒は過去作で実証済みだが、本作も傾向が若干異なるとはいえ、まさに面目躍如と言って良いと思った。まさに「怪作」と言えるのではないか。
10