レビュー
カメラごと海に沈むリアルなシーンの連続、映像の緊迫感が突出している戦争映画。陸・海・空の3つの視点で、敵の襲撃への恐怖、絶望、そして安堵と、次々に心理転換される描写にも監督のセンスが光る。 監督は「メメント」のクリストファー・ノーラン。ダンケルクの出来事は実話ではあるものの、架空の登場人物の目で実話を浮き彫りにしたものらしい。 この出来事から、イギリス国民が団結して逆境を克服する「Dunkirk Spirit」というフレーズが生まれたんだとか。 敵のドイツ軍の人物が一切出てこないのがこの映画の1つの特徴。“見えない敵”への恐怖感と不気味さが増していて、映画全体の緊張感に繋がっていると思う。 またもう1つの特徴として、主人公の名前が出てこない。実話に架空の人物を当てたこの映画のあえての手法だと思うけど、どうしても感情移入しづらい側面がある。 色んなところに監督のセンスが光るものの、登場人物が多いことと名前があまり出てこない。俯瞰で描きすぎて感情移入しづらい、残念ながらそれがこの映画の決定的な欠点だと思う。
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