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ヤング≒アダルト
平均 2.9
2022年02月15日に見ました。
ジェイソン・ライトマンが監督を務めた、2011年公開のヒューマン・コメディ。 『JUNO/ジュノ』に続き2度目のタッグとなるジェイソン・ライトマン監督×ディアブロ・コーディ脚本の本作では、小説家の女性メイビスが青春時代の輝きを取り戻す為に故郷へと帰省する様子が描かれます。ジェイソン・ライトマンの監督作を立て続けに観てみると、同時に脚本家ディアブロ・コーディの手腕や力量も自ずと見えてきますね。相性の良さはもちろんのこと、お互いの良さが丁度良い塩梅で溶け合っており、特に今回は両者の旨味を均等に堪能出来るような一作となっています。まず本作で何より強烈なのは主人公メイビスその人ですよね。開幕早々いきなりプリンターのインク不足をツバで補うという彼女の呆れ果てたずぼら具合には未知のワクワク感を味わいました。このシーンを1つとっても分かる通り本作はかなりはっきり「コメディ」の印象が強く、意外にも全編ゲラゲラ笑いながら観れる作品でもあります。書店や洋服屋での気まずい掛け合いもさる事ながら、本作のコメディ的ハイライトはもちろんあの惨めこの上ないホームパーティーシーンでしょう。今年で言えば『ハウス・オブ・グッチ』におけるスキー場のシーンとも双璧をなす居た堪れなさですが、そこで初めて明らかになる”とある真相”には流石に主人公に同情してしまいましたね。『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』でも描かれていた「見下していた相手の目の前で、実は自分が見下されていた事を知らされる」というあの残酷さ、心中お察しします。 ここまで主人公の醜態と底意地悪さだけを捉えた作品もなかなか無いと思いますが、これはエンディングにまで一貫しています。メイビスは人間的に成長を遂げないどころか結局は当初の”プライドの高いクソ女”へと回帰してしまいますが、この幕引きこそがジェイソン・ライトマン作品の真骨頂!彼女は”自分らしい生き方”を今後も模索する為に故郷を去りますが、このように一面的な答えを出さずに終わるのは「各々の他者性」を逆説的に示してもいますし、更に今回はそれが物語的な爽快感にも直接繋がっています。あとサンドラとの最後の会話で調子を取り戻すメイビスの油断ならなさも却って素敵でしたね。コメディとしてもアンチ成長譚としても見応えがありますし、個人的には十二分に満足出来ました。 オープニングカッコいい。