レビュー
ジュネ

ジュネ

7 years ago

4.5


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運び屋

映画 ・ 2018

平均 3.6

2019年47本目は87歳にしてまだまだ現役のクリント・イーストウッド監督が放つ実録ドラマ『運び屋』。 逮捕されたときには86歳、多いときで1年に1億円もの報酬を得ていたとされる運び屋レオ・シャープのストーリーに着想を得たとされる本作ですが、家族をないがしろにし娘とも絶縁状態になっている老人の寂しさや侘しさがひしひしと伝わってきて、俳優としてのクリント・イーストウッドの上手さに改めて気づかされました。 そんな彼が主人公アールの内面を描くときに参考としたのは、外に出ては好き勝手ばかりで家庭を顧みなかったイーストウッド監督の祖父だったそうです。しかし血は争えないと言うべきか、仕事に狂って金を散財、女遊びを繰り返して8人も子供を持つイーストウッド自身もなかなかの男。 娘役に実の娘であるアリソン・イーストウッドを起用してまでこんな物語に仕立てたのは、1本の映画を通して最後の最後に自分と向き合うためだったのかもしれません。もちろんこれが予告編通り「This is the last one」になるかはわかりませんが、徹底したリアリティ志向を貫いてきた監督が選んだ題材としてはとてつもなく生々しく、これ以上の幕引きは存在しないのではと思えるほどでした。