レビュー
2020年163本目は、チリ発のラブサスペンスで不可思議な女性に翻弄される周囲の動向をつづる、『エマ 愛の罠』。 ------------------------------------------------------------ 前作『ジャッキー ファーストレディ』でもあまり共感を呼べるとは思えない女性像を描いていたパブロ・ラライン監督が、さらに自らの理想を追求したかのような、ちょっとエキセントリックな映画です。プエルトリコ発祥の音楽である「レゲトン」があちこちで使われ、それに合わせてキャスト陣が躍り狂うダンスシーンが見どころのひとつになっています。 ------------------------------------------------------------ 主人公のエマは人の心を虜にするフェロモンが出ているらしく、出会った人間を男女問わずメロメロにさせてしまうんですね。こいつの考えてることはまるで理解が及ばず、新しい男をひっかけて遊んだかと思えば、離婚した元夫にも依存し続け、何が目的なのかが見えてきません…と言いたいとこなんですけど、エマの狙いは中盤で簡単に想像がつくと思います。 ------------------------------------------------------------ 本作はその企みを最後まで隠し通さず、むしろ大っぴらにしてしまったのが失敗でしょう。結末が推測できるとなると後はエマのキャラクターぐらいしか見どころがないんですが、これも「カリスマ性」を表現できてるとは言いがたいです。銀髪でピアスを空け、ド派手な装いの服装…と「見た目」のインパクトに頼っている感は否めず、彼女の内面は全然表現できてないと思います。
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