レビュー
Till

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6 years ago

5.0


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マザーハウス 恐怖の使者

映画 ・ 2013

平均 3.5

物語の核心をつくような内容には触れていませんが、この作品はぜひ予備知識なしで見てほしいので、鑑賞前に自分のレビューを読む必要は特にありません。 1981年のある晩、ドゥルセは夫を何者かに殺害され、息子のレオも忽然と姿を消してしまうが、警察は彼女を逮捕し、彼女は夫と息子を殺害した罪で終身刑を言い渡される。その30年後の2011年、保釈されたドゥルセのカウンセリングを担当することになった神父は、30年前の事件の謎に迫る…。 ダサいタイトル&サブタイトル、B級感漂う安っぽいジャケット、おまけにベネズエラ産とピンとこない要素ばかりで全く見る気の起こらない作品なのだが、これは想像の遥か上を行く傑作だった。序盤はテンポが悪く、馴染みのないベネズエラの雰囲気に戸惑ってしまうが、至るところに伏線が張り巡らされており、終盤でそれらを次々と回収していく展開はもう鳥肌モノ。この手の作品の割には矛盾点・疑問点もほとんどなく、複雑なプロットながらも決して観客を混乱させないような分かりやすい作りになっているのも良い。夫を殺害し、息子を連れ去ったのは誰なのか?息子はあの日に一体何を見たのか?何故神父は事件の真相を知りたがるのか?謎がすべて解き明かされ、なおかつ腑に落ちるというここまで非の打ち所がない完璧な脚本もそうそうない。また、ホラーやミステリーというジャンルだけに留まらず、【親子愛】がテーマの人間ドラマとしても高い完成度を誇り、感動要素さえ盛り込まれている。しかも、そのあらゆるジャンルを、互いに邪魔することなく見事なバランスで構成するという離れ業。どれをとっても完璧で、映画として文句なしの出来映えだった。 自分はあまり満点をつけない主義なのだが、これはつけざるを得ない、そう思った作品。見終わってからもしばらく興奮が収まらなかった。