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デューン 砂の惑星
平均 2.9
フランク・ハーバートのSF小説『Dune』の映像化作品。 本作の約10年前、ホドロフスキー監督が12時間にも及ぶ超大作を構想したが、結局製作は中止。そんな「映像化不可能」とさえ言われた原作がデヴィッド・リンチ監督によって遂に映画化されたのだが、本人が認めているように本作は明らかに失敗作。彼にはファイナル・カット(最終編集)権がなかったため、自分の意図する形で完成させることができなかったらしい。本作の最大の欠点はまさにその「編集」の部分にあって、どう考えても137分の上映時間に内容が収まりきってない。特に後半はもうダイジェストかと思うほど急展開の連続。ひとつひとつの場面を消化する間もなく次の場面へと移ってしまうので、観客は置いていかれたような気分になる。デヴィッド・リンチ本人が編集していたらまた違ったかもしれない。 でも自分はなぜかこの映画を嫌いになれない。確かにCGは安っぽいが、グロテスクなクリーチャーや巨大なミミズ、独特なデザインの宇宙船やコスチュームなどこの唯一無二の世界観はすごく自分好みで、ヴィジュアル面は文句なしの出来映え。それに、デヴィッド・リンチ監督作品ではお馴染みのカイル・マクラクランや『ブレードランナー』でもヒロインを務めたショーン・ヤング、そしてロックミュージシャンのスティングといった役者陣も充実している。元々のストーリーも面白いので、ホントに「編集」さえクリアしてれば、SF映画の金字塔になっていたのではないかと思う。 そして、本作から40年近くの年月を経て、2021年の10月にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のリメイク版が全米公開される予定だ(既にコロナの影響で1年ほど延期していますが)。二部作にすることで前作の欠点を克服し、そこにドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の類い希なヴィジュアルセンスとストーリーテリング能力が加われば、21世紀を代表するような大傑作が誕生する予感がします。