
てる

チャイナタウン
平均 3.5
ノワール映画の傑作として名高いこの作品。中々観る機会に恵まれなかった。しかし、映画館で上映したとあってようやく観賞にいたった。 ミステリー作品って小難しいよね。私はいつもミステリー作品ってよくわからない。 え? 結局、あれとこれはなんだったの? どういうこと? そんな疑問符を浮かべながら観ている。今回も結局そうなってしまった。 わかったようなわからなかったような。説明しろと言われると出来ない。 調べてみると、やはりこの作品の脚本は難解であると出てくる。どうやら私だけではなかったようだ。 とはいえ、何となくのストーリーはさすがに把握できた。 どうも諸々の黒幕はジョン・ヒューストンらしい。悪いやつはこの老人で、彼が裁かれることはないという暗い結末なのである。 終わり方がとても印象的な作品だった。今までのストーリーが吹っ飛ぶくらいの衝撃的で悲しい結末。この結末に賛否両論あり、脚本家と監督でもこの結末にするか争ったそうだ。結果としては大成功だ。かなり印象深い作品になっている。事件の難解さとかそういうのもどうでもよくなる。 酷い結末だ。胸糞悪くなる映画だ。でも、ロマン・ポランスキーの生涯を知ると、この歪んだ結末も納得がいく。 そう歪んでいる。この作品は歪んでいる。ある老人の欲望で歪められている。 水と土地の問題で荒れる人。農家の人は疑心暗鬼に陥っていて、見知らぬ車の男をいきなり銃撃する。侵入した男を有無を言わせず抑えつけ鼻を切り裂く。利害の不一致で娘婿を殺害。近親相姦。 そういえば、娘婿のホリス・モーレイはキャサリンと関係を持っていたのだろうか? なんだかその辺は有耶無耶だったけど、そうであれば、かなり歪んだ複雑な人相図になる。 実際にあった社会問題を背景にしているというのが、また複雑だ。 この作品に嘘がないのはそういう本当の出来事を背景にしているからなのだろう。 この作品は現実的なのだろう。リアリティがある。結局、黒幕は捕まることなく、こっそり影を潜める。死者たちが浮かばれることはない。 主人公のジェイクはひたすらに翻弄された挙げ句、何も手が出せないまま、退くしかないのだ。 なんとも胸糞な結末だ。 それにしても、ジョン・ヒューストン良かった。ただ者ではない異様なオーラを醸し出していた。初登場からどうもこの老人はヤバそうだとわかる。そもそもジョン・ヒューストンって時点でその雰囲気は伝わる。 あぁ、ジョン・ヒューストンだ。スクリーンの圧が半端ねぇ。 役者としても監督としても超一流で、映像のこと、現場のことを知り尽くしている彼は映画という世界では最強だ。嵌り役すぎて怖い。 そして、ジャック・ニコルソン。ジャック・ニコルソンってすごい役者だったんだなってのを半世紀前の作品を観て、改めて思わされる。 ジャック・ニコルソンって『バットマン』とか『シャイニング』『ディパーテッド』とか悪役のイメージしかない。もちろん今回もかなりクセの強い役ではある。でも、今回はカッコいい。 若かりし頃のジャック・ニコルソンって物凄くスタイルがいい。立っているだけで様になる。顔の印象が強すぎて、いつもそちらに目がいくのだけど、そうだったんだね。体格が良くなってどっしりしたのもかなり味があるけど、昔のスラッとした体型もカッコいい。 それにしても個性派の役者だ。この作品はジャック・ニコルソンという役者で成り立っていると言っても過言ではない。面白いのだ。観ているだけで飽きることがない。人を惹きつけて離さない魅力がある。 ハードボイルドの探偵物。この時代は流行っていたのかな。 ジャック・ニコルソンでシリーズ化してほしい。といってもこれの続編があるそうだけど、そちらはあまり評判が良くない。007のように何本もやってほしいなぁ。