レビュー
第65回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門でグランプリを受賞したドラマ映画。妻を亡くして失意の底にいるロベルトと娘のアレハンドラは、見知らぬ土地で再スタートを切ろうとする。アレハンドラは転校先の学校で友達もでき、徐々に明るさを取り戻していくが、ある日、クラスメイトとの性行為の動画がインターネットで流出したのをきっかけに、壮絶ないじめが始まってしまう…。 全編を通して定点カメラで撮影されているため、実際に現実で起こっているかのようなリアル感があるし、題材にしている内容もSNSが日常的に利用されている現代ではもちろんあり得ることである。そんな現実感のある雰囲気であるがゆえに、いじめの内容が強烈すぎたり、発展の仕方が急すぎたりなどの演出が逆に嘘臭く感じてしまう。ホセに好意を抱いていたカミラが嫉妬からいじめに発展するのはまだ理解できるが、それまで仲の良かった男子や特に関係もないクラスメイトたちが、揃いも揃って態度を急変させ、犯罪と言っていいほどの過激ないじめをするのはさすがにやり過ぎだと思う。メキシコとの文化の違いがあるかもわからないし、実際にそこまでのいじめがあるわけないとも言い切れないので、一概には否定しがたいのだが、個人的には少し違和感を覚えてしまった。ただ、セリフも少なく、BGMもないにも関わらず、一つの作品として成り立ってるのは凄いと思うし、監督が才能のある方なんだということは伝わってきた。 目を背けたくなるような胸糞シーンの連続で、苦手な人はホントに見れないと思うので、あまりオススメはできない。
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