
dreamer

ランダム・ハーツ
平均 2.4
ハリソン・フォードとクリスティン・スコット・トーマスが主演する原作付きのメロドラマ。 ウォーレン・アドラー原作を大ベテランのシドニー・ポラックが監督。 気づかずにいた互いのパートナーの浮気。そして、不幸な飛行機事故。 それが、ワシントンDCの警察で内部調査を担当する男と、再選を狙うニューハンプシャー出身の共和党の議員の女を結びつけた。 職業柄、真相を探ろうとする男と、過去は過去と区切りをつけて忘れてしまいたい女。 そんな境遇の異なる二人が、強く惹かれあうようになる。 実のところ、メロドラマは嫌いではないのだが、それでもこの作品は平板で退屈に感じた。 なんだろう、メロドラマぶっている、といえばいいのだろうか。 ここにはエモーショナルな衝動がない。 アカデミー賞監督とはいえ、「ハバナ」、「サブリナ」などの凡作が続いていた頃のシドニー・ポラック。 一時期の神通力を失いつつあるかのように見えるハリソン・フォード。 これは、ちょっと辛いものがありますね。 お互いのパートナーが事故死したというショックだけでなく、彼らが自分の知らないところで、継続的に浮気をしていたという事実が、全く境遇の異なる二人を結びつけるというメインプロットは、ドラマチックで面白い。 しかし、誰もがわかりきっているこの出会いまでに、およそ45分も費やすのは、どうもいただけない。 しかも、再選を目指す上院議員・ある悪徳警官の容疑を追求する主人公というサブプロットが、全く機能しておらず、単なる付け足しに終わっている。 こんな水増しだらけの2時間13分。ついでにいえば、監督自身の出演も成功しているとはとても思えない。 そもそもこの映画、ハリソン・フォードが演じていることもあって、主人公の気持ちがわかりにくい。 妻が死んでも涙を見せないこの男の「真相を探る」ことへの拘りが、何に由来するものなのか、もう少し感情の変化も含めて丁寧に描かれるべきだったように思う。 不倫していた妻の自分への愛情のかけらを確かめたいのか、それとも警察官として妻に欺かれていたことによって傷ついた自尊心ゆえなのか。 それが、どのように出会ったばかりの議員に惹かれていく気持ちと繋がるのか。 ハリソン・フォードは曖昧な笑みを浮かべるばかりで、何も教えてくれない。 ヒロインを演じるクリスティン・スコット・トーマスは、ハリソン・フォードとは対局だ。 ショッキングな事件を過去のこととして葬りたい気持ちが、単に自分の選挙目的だけでないこと、その裏に心の痛みと哀しみがあることに、きっちりと説得力をもたせている。 この映画に観る価値があるとすれば、それは彼女とその演技以外には考えられない。 とても魅力的で、素晴らしい女優だと思う。